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おひさま 第5号~診察室のまわるイス/ 香つきの柔軟剤について~



かさい先生のお話【診察室のまわるイス】

クリニックの診察室のイスはクルクル回る椅子です。そのためお子さんがイスでクルクル回って落ち着きない様子をしていると、お父さんやお母さんが「じっとしてなさい」、「クルクル回らない」とイスをつかんで怖い顔をして注意をしている光景によく遭遇します。最近、リハビリの作業療法士の先生が書いた本を読んでみると、イスでクルクル回ってじっとしていないお子さんは、平衡感覚いわゆるバランス感覚が未熟なお子さんが多いようです。平衡感覚は姿勢を維持する機能と密接に関係しています。そのために姿勢を崩しやすく維持できないお子さんがみられます。
人間はもともと鈍い感覚には十分な刺激をいれて身体の感覚や状態を把握しています。つまり平衡感覚が未熟なため十分に刺激を入れる必要があるので、クルクル回って強い刺激を入れて自分の姿勢、位置を確認し、なんとか姿勢を保っている行為のようです。例えば聴覚の鈍い耳の遠いお年寄りには強い刺激である大きな声で話さないと聞き取れません。お子さんにクルクル回らないように注意しているのは、耳の遠いお年寄りに「小さな声で頑張って聞き取りなさい」と注意しているようなものです。耳の遠いお年寄りは残念ながら加齢なので治らず補聴器をつけなければなりませんが・・・。一方、子どもの場合は平衡感覚の刺激をしっかり与えて普段からトレーニングすることが大切となってきます。回転遊びや揺れ遊びのような、クルクル回るような刺激や、ブランコの様な前後上下のような刺激、トランポリンやシーソの様な上下の刺激など平衡感覚を刺激するような動作を強弱をつけて与えてあげることが大切です。昔は公園にもクルクル回る遊具があって、目が回るくらい遊んでいたような記憶があります。そうやって知らず知らずの間に平衡感覚を鍛えてきたのでしょう。最近そんな遊具にもほとんどお目にかからないような気がします。そのような刺激を十分に与えてあげることによって平衡感覚が鍛えられ姿勢を維持する能力ができてきます。したがって注意してやめさせるのではなく、親がお子さんの平衡感覚の未熟さを意識して、遊びの場で楽しみながらトレーニングしていくことが大切です。そうすることによって、親がやってほしくないイスでクルクル回る行為が解消されていくようです。ひいては、姿勢がしっかりし、長時間よい姿勢がたもてて、学習や習い事などへの集中力も向上していくと思います。

スタッフによるコラム【香つきの柔軟剤について】

最近、店頭に並ぶ柔軟剤の種類の多さに、驚いてしまいます。テレビのCMでは、歩くとバラの花びらが舞うようなイメージで放送されていて、購買意欲を誘います。
皆さんは柔軟剤を選ぶ時、どんな基準で選びますか?香り・柔らかさ・デザイン・価格など・・・人によって様々だと思います。

数年前から海外製品の影響を受け、強い香りのものが増えてきました。香りに癒される一方で、においで気分が悪くなった、頭痛、めまい、吐き気など体調不良になった、などの健康被害を訴える方も増えているようです。国民生活センターにも、そういった香りに関する相談が年々増加していて、相談者の多くが香りで体調を崩したとの事でした。

最近では幼稚園や学校の参観日には、子どもたちがアレルギー症状を起こすことがあるため、香りのエチケットとして、強い香り、香水などは控えるように保護者あてに手紙が配布されるところがあるようです。また、病院の受付に【香りエチケット】と貼ってあるところも増えてきました。

当院にも喘息の症状や、咳で受診される方がみえますが、柔軟剤の強い香りや、お母さまの香水が強い方がいらっしゃいます。化学物質などによって嗅覚(きゅうかく)や気管支が過敏に反応して、咳や鼻水の症状を悪化させ、長引かせる原因になることがあります。
体調の悪いときはもちろんですが、毎日の生活でも配慮が必要で、小さいお子さまのいるご家庭ならなおさらです。香りは癒しや自分らしさを表現できますが、家庭環境や場所によって香りを選ぶことが必要です。