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おひさま 第87号~ 健診でのポイント/ 気管支喘息 ~



葛西先生のお話【健診でのポイント】

 小児科の他科にない特徴の一つは、お子さんの成長や発達の変化を診ていくことです。
つまり、お子さんの様子を点ではなく線で診ていく感じです。その代表的なものは定期健診であり1ヶ月、4ヶ月、10ヶ月、1才半、3才、5才とそれぞれの年齢で小児科医が注意しながら健診で診ていくポイントがあります。最近は以前に比べてお子さんの発育や病気以外に、発達面を気にしている親御さんが増えてきました。そのため、一般診療や健診をしていても発達面で質問されることも多くなりました。今回はクリニックで主にしている1才半健診と5才児健診について、自身が小児科医として注意している点に関して説明をしていこうと思います。
 まず1才半健診で最もわかりやすいのは言葉が出ているかです。親御さんもその点はわかりやすいせいか、健診で「言葉が出ていません」、「言葉が遅いです」と心配され、訴えられます。個人差はありますが、確かに言葉が遅いお子さんは発達障がいの特徴を持っているお子さんが多いので気をつけて診察をしています。言葉が遅い以外に、視線が合いにくい、癇癪が多い、こだわりが強いなど他の症状がないか確認していきます。言葉の遅れ以外にも気になる症状がみられる場合、今後も丁寧に発達の様子を確認していく必要があります。5歳児健診は10年ほど前からおこなわれるようになってきましたが、主に就学に向けて、発達面を注意して診ています。自身が注意して診ているわかりやすいポイントとしては、診察室のイスにしっかりと座ることができているかです。発達の特徴を持っているお子さんはイスに姿勢良く座っていることができず、クルクル回り、座る姿勢ものけぞったり、姿勢を崩したりして落ち着いてじっと座って居られないことが多いです。お子さんと簡単な受け答えができるか確認し、お子さんによっては集団生活で気になる様子がないか確認をしています。園では目立たなくても、就学すると勉強するためにじっと座っているような高い能力を求められるので学校に入ってから目立ってくるお子さんもおられます。姿勢保持をすることが苦手なお子さんはまずは日常生活で、しっかり運動をすることをお話しています。今後集団生活で気になる様子が出てこないか注意していただきます。小児科医はこのような目線でお子さんの発達面を健診では診ています。

スタッフコラム【気管支喘息】

秋も深まり朝晩の冷え込みを感じる季節になりました。
この時期は、咳や鼻水などの風邪症状が長引いたり、朝晩の寒暖差が大きいことで喘息の発作が起こりやすくなります。喘息は、気道が敏感になり悪化することで、呼吸をするときの空気の気道の通り道が狭くなり、呼吸が苦しくなることを喘息といいます。小さなお子様の場合、自分の症状を上手く言葉で伝えられないこともあるので、よく観察し、気づいてあげることが大切です。

喘息の特徴

・息をするとき、胸から「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする。
・特に夜間から早朝に苦しそうな呼吸になる。
・息を吸うときに、お腹がペコペコへこむ。
・横になって眠れない。
・顔色が悪くぐったりしている。
季節の変わり目で、朝と夜の気温差が大きかったり、気温や湿度の変化が激しい時や台風など気圧に変化がある時にも起こりやすいです。

喘息の治療

 喘息の治療は、症状が起こらないように毎日行う治療と、症状や発作が起きた時に行う治療の二つに分けられます。
ステロイドの吸入や内服薬がありますが、喘息は「毎日治療を続ける」ことが大切です。喘息症状が治まったとしても、再び症状が現れやすいので、「症状がある時だけではなく、毎日治療する」ことが大切です。

家庭で気を付けること

発作が起きている場合、横になると気管支が狭くなり、呼吸がしにくく苦しくなるので、クッションなどを使い、座った姿勢にしてあげましょう。空気が乾燥する時期は加湿器やバスタオルなどを干して加湿しておくと、咳がやわらいだり、痰が出やすくなります。

また、処方されたお薬を飲んでいても症状が治らなかったり、悪化する場合は早めに受診しましょう。