グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



HOME >  院内報『おひさま』 >  おひさま 第10号~スギ花粉の舌下免疫療法/食中毒の予防~

おひさま 第10号~スギ花粉の舌下免疫療法/食中毒の予防~



おくむら先生のお話【スギ花粉の舌下免疫療法】

スギ花粉症はスギ花粉が原因でおこるアレルギー疾患で、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのつらい症状がでます。毎年症状に悩まされている方も多いかと思います。
花粉症の治療としては、主に抗アレルギー剤の内服や、点鼻、点眼があります。他に比較的新しい治療法として、皮下免疫療法といって、定期的にスギ花粉のエキスを注射することによってスギ花粉症の症状を和らげ、体質を改善する治療法があります。ただ、この治療法は医療機関に注射に通う必要があり、痛みを伴います。そこで最近でてきたのが、舌下免疫療法です。

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲン(ここではスギ花粉のことですが)を少量ずつ内服することで、からだをならし、症状を和らげ、根本的な体質改善が期待できる治療法です。皮下免疫療法と違い、痛みを伴わず、自宅でできます。ただし、3年ほどの治療が必要です。効果のある方は1年目から徐々に症状の改善が感じられ、3年目になると今まで飲んでいた抗アレルギー薬が必要なくなるくらい改善するかたもみえます。ただし、すべての方に効果が期待できるわけではなく、やってみないとわかりません。また効果は一生つづくわけではなく、7年以上たつと再び症状が出てくる可能性がありますが、再度舌下免疫療法を行うと、改善します。この治療ができるのはスギ花粉症と確定診断された12歳以上の方です。スギアレルギーのある方にスギ花粉を投与するので、初回はアレルギー反応が起きないかどうか、クリニック内で内服していただき、30分以上様子をみさせていただきます。それで問題なければ翌日から自宅で内服していただき、2週間かけて徐々に増量し、15日目以降からは同量で、1日1回投与します。内服方法は、スギ花粉のエキスの液体を舌下にたらし、2分間そのまま、2分たったら飲みこむという方法です。最初舌下がはれたり、痛くなる副作用がでるかたもみえますが、続けていくうちに改善していきます。

この治療法はスギ花粉が飛んでいる時期には開始できません。そろそろスギ花粉も減って落ち着いてきた頃かと思います。スギ花粉の舌下免疫療法を希望される方は、一度相談におこしください。

スタッフによるコラム【食中毒の予防】

温度や湿度が上がる梅雨や夏。そして食中毒が増えるのもこの季節ですね。今回は、食中毒の予防についてお話します。
食中毒にかかりやすい時期は、原因菌が増殖しやすい「5月~10月」です。食中毒を引き起こす条件は、「栄養源(食品そのもの、食器や調理器具についた食品)」「水分」「温度(特に湿度)」です。この3つがある限り菌は増殖し続けてしまいます。

食中毒の代表的な菌

  • カンピロバクター:食肉(主に鶏肉)、卵、レバ刺し
  • 病原性大腸菌(腸管性出血大腸菌、O-157):食肉
  • サルモネラ菌:食肉、卵、魚
  • 黄色ブドウ球菌:おにぎり、弁当、調理パン
  • ノロウィルス:二枚貝

食中毒を予防する方法

食中毒の予防3原則は、菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」です。
そのための予防策を紹介します。

  1. 調理前には、しっかりと手洗いしましょう。
    指の間、爪の中までしっかり洗ってください。
  2. 調理器具もしっかり洗いましょう!
    使ったものは「お湯と洗剤」でしっかり洗い、乾燥させましょう。
  3. 調理したものや食べ残し等は冷蔵庫で保存すること。
    常温で保存すると、菌が繁殖します。冷所保存をしましょう。
  4. 調理する際、しっかり加熱すること。
    菌は75度以上で1分以上加熱すると殺菌されます。
    肉料理や魚介料理は中まで火が通っているか必ず確認しましょう。
  5. 免疫抵抗を落とさないこと。
    どんなに気をつけていても、免疫抵抗が弱まっていると食中毒を起こしやすくなります。「適度な睡眠」「適度な食事」「適度な運動」「適度な休憩」です。
    健康的で規則正しい生活は食中毒対策にも有効です。