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おひさま 第113号~起立性調節障害(OD)のお話 / 読み聞かせの時間をつくりましょう!~



かさい先生のお話【起立性調節障害(OD)のお話】

東京に行って思春期の子どものこころの研修会に参加してきました。起立性調節障害(OD)やODと関係している、思春期の頭痛や消化器症状(嘔気、腹痛、便秘、下痢)などを勉強してきました。ODは日本でのみよく使われる名称で海外では体位性頻脈症候群(POTS:日本ではODのなかの1つの病態と考えられている)と言う名称がメジャーなようです。ODはご存じの方も多いと思いますが、小学校高学年~中学生に多く、「朝起きづらい」「立ちくらみや動悸」「午前中調子が悪い」「頭が痛い」「おなかが痛い、気持ち悪い」などの症状が現れます。このようなお子さんは外来にもよく受診され相談を受けます。ODの病態として自律神経(交感神経・副交感神経のバランス)が大きく関与しています。自律神経は体の恒常性や血圧の調整、内臓の動きなどに大きく関わっています。ODは起立時に循環調節がうまくいかなくなることにより、さきほどのような様々な症状が現れます。血液循環に関して人間は臥位から立位になるとき重力により体の血液が下肢に行きやすくなります。ODでは自律神経が体の機能を調整できないため、血管をうまく収縮させられず、血圧が保てなくなり、上半身特に脳に十分な血液を送ることができません。また自律神経が不安定だと循環血液量に関係している水分を体に保持することも難しくなり、循環血液の絶対量が少なくなってさらに血圧を保てない状態になります。そのような理由で立位の際、脳に十分な血液が行かないため、学校に行こうとして起き上がるとOD特有の症状が出てくると考えられています。
また最近の子どもたちの生活スタイルがODを引き起こしやすい環境でもあるようです。POTS(OD)は欧米では1980年代「カウチポテト族」という言葉が流行した時に大きな問題になった様です。寝そべってポテトチップを食べながら、だらだらテレビを見ている生活習慣。今の日本の子どもたちの日常生活と大変よく似ています。寝そべってスマホやゲームをしてゴロゴロしている・・・。このような状態をdeconditioning(身体の不活動により引き起こされる筋、骨格、循環、呼吸機能などの身体機能の低下)と言うようです。同じような状況は、病気など慢性的にベッドで横になっている状態や宇宙飛行士が無重力の環境下になれた後地球に戻って重力下に置かれたときも似たようなことが起こることがわかっています。deconditioningによって自律神経のバランスが崩れOD症状を起こしてしまいます。不登校では最初は何らかのストレスでいけない状態なるかもしれませんが、家庭で寝転がってゴロゴロしている習慣が長期化するとdeconditioningによっても日常生活に身体が適応できず状況を悪化させてしまいます。今の子どもたちの生活環境はdeconditioningになりやすく、ODを起こしやすいと言うことも理解する必要があります。

スタッフコラム【読み聞かせの時間をつくりましょう!】

家庭で絵本などの読み聞かせの時間を持っていますか?
今は親が共働きで、子どもと向き合う時間がなかなか作れないこともあり、ついついスマホなどを子どもに持たせてしまいがちです。
【読み聞かせの効果について】
読み聞かせは親子にとってコミュニケーションの機会で親と子の愛着形成が促進されると言われています。
愛着形成とは特定の人との関係を通して形成される絆で生きていく為に必要な安心感や信頼の土台となります。
愛着形成がされると日々の機嫌の悪さや気が散りやすさが少なくなったなど、子どもの行動に変化が現れ、読み聞かせを継続することで行動が改善される傾向があると言われています。子どもが落ち着いて毎日の生活を送れていることで、親の子育てのストレスを減らし子育てが楽になったとも言われています。
その他の読み聞かせの効果として、言語の発達や読解力の向上、想像力の育成や感情の理解など様々な面での子どもの成長と発達を促します。

【読み聞かせのポイント】

ゆっくり読む・・・子供が聞き取れるよう、ゆっくりとゆったりした気持ちで
お気に入りの本を繰り返し読む・・・子どもの気持ち優先で 
読み聞かせた後に感想を求めたり、教訓めいたことを言わない
子どもと一緒に楽しみましょう・・・読み手が楽しむと面白さが伝わります。

子どもの頃、親子で過ごした読み聞かせの楽しい時間は、成長してからも良い思い出となることと思います。スマホやテレビばかりの時代だからこそ、読み聞かせの時間は意識的に取り組んでみてはいかがでしょうか。