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おひさま 第16号~ドラえもんと発達障がい/受診前に準備をしましょう!!~



クリニック診察室の前に、来院された患者様にご覧いただけるよう、ボックスを設置しました!!

かさい先生のお話【ドラえもんと発達障がい】

みなさんドラえもんはさすがに知っていますよね。僕が子どもの頃から人気のあるマンガで日本人なら知らない人はいないのではと思います。発達とこころの外来を担当していますが、発達障がいの相談で来られる親御さんへ説明の際に、時々ドラえもんの話をさせてもらうことがあります。「ドラえもんで発達障がい??」何を言っているのか想像ができない方もおられると思いますが、実はドラえもんの登場人物には、発達障がいっぽい特徴を持った人が登場します。まずはのび太君です、集中力がなく、ぼーっとしていて、勉強が大の苦手、忘れ物が多く、そんな態度が何度注意されても改善されず、いつもお母さんや学校の先生から怒られています。このような様子からADHD(注意欠如多動症)で不注意優勢型の特徴を持っていると考えられます。次はジャイアンです。ジャイアンは衝動的で乱暴、ドラえもんやのび太君、スネ夫君にちょっとしたことにキレて暴力をふるっています。またジャイアンは母親からも結構体罰を受けているので、虐待的な要素も関係しているかもしれません。虐待的な要素を持っているお子さんはADHD様の症状を呈することも言われています。したがって、ジャイアンは多動衝動型ADHD(+虐待要素のADHD症状もあるのかな?)といったところでしょうか。一方、スネ夫君はどうでしょう、スネ夫君は典型的な定型発達(一般的な発達)のお子さんと考えられます。周りの状況をみて要領よくふるまっています。あの付き合うのが苦手そうなジャイアントに対しても嫌そうですがうまくやっています。弱い相手ののび太君にはかなり強気です。相手の様子や状況をみて臨機応変にふるまって上手くやっています。そういう視点でドラえもんを読んでみると発達障がいの理解も深まるのではと思います。

ドラえもんはお腹の4次元ポケットから、のび太君のためにお助けグッズや便利アイテムを出してくれます。それによってのび太君は様々な困難な場面で救われます。発達障がいの特徴を持ったお子さんは苦手なことに関しては極端に苦手です、少々注意したり、怒ってものび太君のようになかなか上手くいきません。したがって周りの大人がドラえもんのようにお子さんが少しでもすごしやすく、手助けとなるような配慮や工夫をしていってあげることが大切だと思います。ADHDっぽいのび太君はドラえもんの様な理解してくれる人やネコ型ロボットが身近にいるからこそ不登校や非行にもならず、がんばって生活しているのではないでしょうか。

スタッフによるコラム【受診前に準備をしましょう!!】

受診時に、伝え忘れてしまった…や、いつからの症状でどんな薬を服用していたかな??…など忘れてしまうことはありませんか?
普段一緒に生活している家族だからこそ、子どもの変化や、詳しい症状の状態が分かります。その状態を医療機関に的確に伝えることで、その子にあった治療ができます。

親だからできる3つのこと!!
★観察・記録・伝達★

観察

  • 主症状に加え、「食べる」「遊ぶ」「寝る」「出す」が出来ていますか?
  • 診察時にいつもと違うんです!と言っても、医師や医療スタッフは普段を知りません。どのように違うのかを伝えられる事が大事です。(いつもは○○だけど、今日は喋らない…など)

記録

  • 具合が悪いと感じたら…いつもと異なる点を書きだします。(長すぎず、簡潔に!!)
  • 写真や動画も有効です。
  • 便は実物を持っていくといいです。

伝達

  • 服用している薬や、他院で処方された薬がある方は、必ずお薬手帳を持参しましょう。
  • おじいちゃん・おばあちゃんなど普段のことを知らない方が付き添う場合は、親が紙に症状を細かく記入し渡しておきましょう。
  • 子どもの命に係わる事です。時間がなくても、待合が混んでいても、記録したものを提出し、子どもの状態をすべて伝えましょう。

しかし…
あまり過敏になりすぎてしまうと、すべての行動、症状が気になり、疲れてしまいます。日々の子どもの様子や変化を、成長の一つとして楽しみながら観察してみましょう。そして子どもの変化が気になる時は、かかりつけを受診し、普段との違いを伝えましょう。