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おひさま 第23号~嫌な癖・・/子どもの夜驚症について~



かさい先生のお話【嫌な癖・・】

お母さんを悩ませるものの一つに、お子さんの嫌な癖があります。外来をやっていると時々相談を受けることがあります。よくあるのが、「今まで爪を切ったことがないくらい爪かみがひどい」、「大きくなってきたのに指しゃぶりが治らない」、「時々ズボンに手を入れてお股を触っていて周りからみていて恥ずかしい」などです。基本的にいやな癖は子どもが安心感を得るための手段と考えられています。どうしたらよいのですか?とよく質問されますが、子どもは嫌な癖をしていることで安定や安心感を保っているため、出ている癖を親が何とか強制的にやめさせようとしてやめたとしても、親がやってほしくない嫌な別の癖や行動になって出てくる場合がほとんどです。
解決方法の一つは、今やっている嫌な癖の似たような許容できる代償行為に変えていく方法です。例えば爪かみであれば、ガムやスルメを噛む行為に置き換えます。学校では出来ませんが家庭ではやっていても許容できる範囲の行為です。指しゃぶりなら棒のついた飴をなめることに置きかえたり、性器いじりであれば今流行りのスクイーズ(ぷにぷにしたおもちゃ)や昔からよくあるプチプチで手持無沙汰感を解消するような代償行為に変えていくのもよいでしょう。これであればお母さんも許容範囲でしょう。今やっている癖の似たような行為で許容できるものを見つけてあげる必要があります。いろいろと考えてあげましょう。
また嫌な癖をしてしまう状況にある子どもの気持ちを理解する対応も必要となります。ある意味嫌な癖は言葉で気持ちを訴えることが苦手な子どもたちのこころのバロメータでもあります。頻度や程度が増えているときは何か子どものこころに負担が増えているのではないかと考えてあげたらよいのではとお話しします。それに、気づいてあげて周りが本人のストレスになっていると思われることの負担を減らしてあげたり、遊びなどストレスが発散できる環境を親が意識的に作ってあげる対応も必要です。
少しは参考になったでしょうか?もし、今お子さんの嫌な癖で悩んでいる親御さんへ、僕も参考にしている認知行動療法の本「だいじょうぶ自分でできる悪いくせのカギのはずし方ワークブック」(著ドーン・ヒューブナー 明石書店)があります、絵本の様な本なので参考にされるとよいと思います。

スタッフによるコラム【子どもの夜驚症について】

こんな経験はありませんか?お子さまが夜眠っている時に突然起き上がり、尋常でない泣き方をしてパニックを起こしたこと。筆者の子どももその一例でした。びっくりして顔を見ると、眼を開いて私を見ていますが、焦点が合っていません・・・明らかにまだ覚醒していない状態でした。これは睡眠障害の一つだそうで、夜驚症(やきょうしょう)または睡眠時驚愕症(すいみんじきょうがくしょう)といって、3歳~7歳の間の子どもに発症しやすいということが後に分かりました。

夜驚症の症状

夜眠っている時に突然起き上がり、恐怖に満ちた顔で泣き続けます。入眠後1~2時間後くらいが最も起こりやすいと言われています。そして1回のパニック状態の多くが1~10分以内で消失します。
夜驚症から起こるパニック状態は脳の一部分だけの覚醒により起こっています。その他の部分は眠っているために、周りの人が落ち着かせようとしても効果がなく、翌朝本人はパニックを起こしたことを覚えていないという点が大きな特徴です。

夜驚症の原因とは?

子どもの夜驚症は、睡眠から覚醒するための脳の機能が発達途中にあることが原因とされています。また、日常生活において大人には何でもないことでも、子どもにとっては強い不安や恐怖、興奮状態を引き起こすことがあります。例えば、怖いテレビ番組や本を読んだり、強い興奮を与えられたなど、夜驚症のきっかけになることがあります。

夜泣きと夜驚症のちがいとは?

夜泣きが発生する時期が新生児期~乳児期であるのに対し、夜驚症は3歳から7歳といった、幼児期から学童期に多く発症します。
夜驚症は睡眠障害の一つと考えられていますが、専門的な治療を必要とせず、知らない間に治っていたというケースが多いようです。そういったことから、おうちの方は辛抱強く見守ってあげることが大切です。