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おひさま 第26号~ムンプス難聴/喘息と台風~



おくむら先生のお話【ムンプス難聴】

現在東濃地方が舞台となっているNHKの朝ドラ「半分青い」。この主人公の鈴愛は、小学校3年生の時、おたふくかぜにかかり、左耳の聴力を失ったと
いう設定になっています。このドラマで「ムンプス難聴」を知った方も
みえるのではないでしょうか。

おたふくかぜはムンプスウイルスに感染することにより耳下腺が腫れる病気です。1~2週間で腫れはひいて治ります。おたふくかぜには多くの合併症があります。髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴、男性は精巣炎、女性は卵巣炎を合併することもあります。
ムンプス難聴はムンプスウイルスが内耳に感染することによって生じます。発症頻度はおたふくかぜにかかった方の200~1,000人に1人の割合といわれ、高い発症頻度です。日本耳鼻咽喉科学会の全国調査では、2015~2016年の2年間で少なくとも359人のムンプス難聴患者が発症し、うち15人は両側高度難聴、290人が一側重度難聴の後遺症が残る結果になったとのことです。これは耳鼻咽喉科単独の調査なので、実際には一側の難聴で、気づかれていない難聴の患者さんもみえ、もっと多くいると推測されます。両側の難聴になると、突然、人とのコミュニケーションに支障をきたし、場合によっては補聴器や人工内耳植え込み術の必要がでてきます。一側性難聴では方向感覚の低下、騒音下での言葉の聞き取り能力が低下します。いずれも、日常生活においてQOLが低下します。お子様の場合、将来職業選択の幅に制限がかかり、お子様の可能性を狭めることにもなります。

ムンプス難聴はおたふくかぜにかからなければならないので、予防接種をすることによって、減少させることができます。個人が接種して、予防するのはもちろん、多くの人が接種して接種率をあげ、おたふくかぜの流行をなくし、集団での予防を進めることも必要です。現在おたふくかぜワクチンは任意接種のため費用が
かかってしまいますが、聴力を失うことを考えると・・・
初回接種を3歳未満に済ませ、その数年後に2回目を接種するといいでしょう。

スタッフによるコラム【喘息と台風】

台風が近づいてくると、咳が止まらなくなったり呼吸が苦しくなったりするお子さんが増えます。もしかしたら、それは『喘息』の症状かもしれません。
喘息は、気道(空気の通り道)がアレルギー性の炎症を起こして、狭くなる病気です。

喘息症状

  • 肩で息をする
  • 夜から明け方に咳き込む
  • ヒューヒュー、ゼーゼーという音がする
  • 痰がらみの咳をする
  • 咳がひどく、長期間続いている
  • たばこや花火などの煙で息苦しくなる
  • 運動をすると咳き込む

このような発作の原因には様々なものがありますが、天候や気圧の変化も喘息の要因の1つです。

喘息発作が起きたら

  • 胸を圧迫させず、少しでも呼吸が楽になる姿勢をとる。横になると気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなることがあるので、クッションなどを使い、座った姿勢でいるのがおすすめです。
  • 水分を摂り、乾燥を防ぐこと。痰が出やすくなり、のどの痛みが軽減されます。
  • 咳がひどく続く、呼吸をするときにヒューヒュー、ゼーゼーいう、顔色が悪く息苦しそうにしているなどの症状がある場合は、救急に病院を受診しましょう。
低気圧になったり台風が来たりするたびに喘息発作を起こさないようにするには、普段からケアをすることが大切です。

対策として

治療をしっかり継続する。喘息は、症状が出なくなった後も完全に治るまで時間がかかります。治ったかなと思っても、自己判断せず医師がいいと言うまで薬を止めず、治療を続けないといけません。
喘息が起こりやすいこの時期は、気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。