おひさま 第32号~スギ花粉の舌下免疫療法について /食の自立は離乳食の時期から~
おくむら先生のお話【スギ花粉の舌下免疫療法について】
スギ花粉症はスギ花粉が原因でおこるアレルギー疾患で、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのつらい症状がでます。
花粉症の治療としては、主に抗アレルギー剤の内服や、点鼻、点眼があります。他に比較的新しい治療法として、皮下免疫療法といって、定期的にスギ花粉のエキスを注射することによってスギ花粉症の症状を和らげ、体質を改善する治療法があります。ただ、この治療法は医療機関に注射に通う必要があり、痛みを伴います。そこで最近でてきたのが、舌下免疫療法です。
花粉症の治療としては、主に抗アレルギー剤の内服や、点鼻、点眼があります。他に比較的新しい治療法として、皮下免疫療法といって、定期的にスギ花粉のエキスを注射することによってスギ花粉症の症状を和らげ、体質を改善する治療法があります。ただ、この治療法は医療機関に注射に通う必要があり、痛みを伴います。そこで最近でてきたのが、舌下免疫療法です。
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲン(ここではスギ花粉のことですが)を少量ずつ内服することで、からだをならし、症状を和らげ、根本的な体質改善が期待できる治療法です。皮下免疫療法と違い、痛みを伴わず、自宅でできます。ただし、3~5年ほどの治療が必要です。効果のある方は1年目から徐々に症状の改善が感じられ、3年目になると今まで飲んでいた抗アレルギー薬が必要なくなるくらい改善するかたもみえます。ただし、すべての方に効果が期待できるわけではなく、やってみないとわかりません。また効果は一生つづくわけではなく、7年以上たつと再び症状が出てくる可能性がありますが、再度舌下免疫療法を行うと、改善します。スギアレルギーのある方にスギ花粉を投与するので、初回はアレルギー反応が起きないかどうか、クリニック内で初期量のお薬を内服していただき、30分以上様子をみさせていただきます。それで問題なければ翌日から自宅で内服していただき、1週間後に維持量のお薬に増量します。内服方法は、ラムネのような錠剤を舌下に入れると、自然ととけていきます。1分間そのままで、1分たったらつばを飲みこむという方法です。最初舌下がはれたり、痛くなる副作用がでるかたもみえますが、続けていくうちに改善していきます。
この治療法はスギ花粉が飛んでいる時期には開始できません。スギ花粉が減って落ち着いてきた頃に開始できます。スギ花粉の舌下免疫療法を希望される方は、一度相談におこしください。
この治療法はスギ花粉が飛んでいる時期には開始できません。スギ花粉が減って落ち着いてきた頃に開始できます。スギ花粉の舌下免疫療法を希望される方は、一度相談におこしください。
スタッフによるコラム【食の自立は離乳食の時期から】
先月、「歯の発達と離乳食の進め方」をお話ししましたが、食材の固さや大きさも大切ですが、道具や介助の仕方もお子さんの食の自立にはとても大切です。離乳食は“食べる練習”の時期ですが、“自分で食べられるようになる練習”の時期でもあります。お子さんにあった食事の介助や道具をつかってお子さんの食事の自立をうながしましょう。
離乳食の開始時期(口の中に入ってきたものを、飲み込むことを覚える時期)
~7,8か月ごろ(乳歯が生え始める頃)
<口の前の方を使って、舌と上顎でつぶしていく動きを覚える時期>
<口の前の方を使って、舌と上顎でつぶしていく動きを覚える時期>
スプーンの大きさは、お子さんの口の2/3程度の幅で、すくう部分は浅めのもの。
介助のポイント
スプーンに少なめにとり、下唇の上に置きます。上唇が降りてきて、「パクっ」と口を閉じたら、スプーンを平行に抜きます。この時に、上唇や上顎に離乳食をなすりつけるようにスプーンを抜いたり、口の奥の方へ入れ込まないようにしましょう。入れ込むことで、モグモグせず丸呑みして食べることを覚えてしまいます。
口を開けようとしないときは、スプーンの先端でやさしく下唇をつついて、口を開けるよう促しましょう。
介助のポイント
スプーンに少なめにとり、下唇の上に置きます。上唇が降りてきて、「パクっ」と口を閉じたら、スプーンを平行に抜きます。この時に、上唇や上顎に離乳食をなすりつけるようにスプーンを抜いたり、口の奥の方へ入れ込まないようにしましょう。入れ込むことで、モグモグせず丸呑みして食べることを覚えてしまいます。
口を開けようとしないときは、スプーンの先端でやさしく下唇をつついて、口を開けるよう促しましょう。
9、11ヶ月ごろ(上下の歯が生える頃)
<前歯で噛みとり、歯茎で噛みつぶすことを覚える時期>
<前歯で噛みとり、歯茎で噛みつぶすことを覚える時期>
スプーンの大きさはそのまま、すくう部分は丸いくぼみのあるもの。
介助のポイント
この時期もお子さんの口の中に入れ込むようなあたえ方はやめてください。前歯が生えだすので、やわらかいものであれば噛みとることができます。自分にあった、1口量を覚えていく時期なので、食材は少しずつ固くしていきましょう。
介助のポイント
この時期もお子さんの口の中に入れ込むようなあたえ方はやめてください。前歯が生えだすので、やわらかいものであれば噛みとることができます。自分にあった、1口量を覚えていく時期なので、食材は少しずつ固くしていきましょう。
1~2歳ごろ(第一臼歯が生え始める頃)
<前歯で噛みとり、奥歯でつぶす事を覚える時期>
<前歯で噛みとり、奥歯でつぶす事を覚える時期>
手づかみ食べは“自分でたべること”を覚えていく基本になります。口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしたりしながら、1口量を覚えてきます。また、手づかみ食べをすることで、手でつかむことや指先でつまむことができるようになり、指先の運動機能が発達していきます。
介助のポイント
手づかみ食べを十分にさせてください。食べ散らかしを気にせずに、お子さんがつまんで食べやすい食品を用意して、食べるものが偏らないようにしましょう。
介助のポイント
手づかみ食べを十分にさせてください。食べ散らかしを気にせずに、お子さんがつまんで食べやすい食品を用意して、食べるものが偏らないようにしましょう。
食べさせ方のポイント
- 食べるときはお子さんの名前を呼んで、「○○ちゃん、あーん!」と声かけをしましょう。また、大きく口を開ける動作をしてお手本を見せてあげましょう。
- 食べた後は、「おいしいね」「上手に食べれたね」などしっかりほめて、満足感や達成感を感じさせましょう。
- 無理強いせず、食べてくれない時は、タイミングを変えたり、メニューを変えましょう。
- はじめのころ集中できるのは10分くらいです。遊び食べを始めたら、食事を切りあげましょう。
- 水やお茶などの水分は近くに置かないようにしましょう。噛まずに流し込むようになるからです。
しっかりと噛んで唾液をだすことで消化がよくなります。
離乳食がうまく進まないと焦りがちですが、お子さんの成長やペースをみながら、食事の時間を親子で楽しみましょう。