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おひさま 第37号~百日咳について / 子どもが夏バテになるわけ~



おくむら先生のお話【百日咳について】

最近、岐阜県で小学生を中心に百日咳のお子様が増えています。
百日咳は百日咳菌による感染症です。感染して5~10日後に咳や鼻水などの風邪症状が出現し、だんだん咳き込みがひどくなってきます。咳き込みの症状がひどくなると、苦しくて、息継ぎができなくなったり、顔が真っ赤になります。小学生や大人は、咳き込みで苦しいですが、死亡するようなことはなく、2~3か月かけて、治っていきます。百日咳に効く抗生剤を内服しても、咳き込みの期間はかわりません。問題はこの百日咳をまだ免疫のない赤ちゃんにうつすと大変なことになります。生後6か月以下、特に3か月以下の赤ちゃんが百日咳になると、そのまま呼吸が止まって死亡したり、脳の酸素が不足して、脳症を合併し、後遺症を残すこともあります。
百日咳は生後3か月からスタートする四種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア・ポリオ)ワクチンで予防することができます。四種混合を接種していない、特に3か月未満の赤ちゃんは危険ということです。通常四種混合ワクチンは生後3か月をこえたら、3回接種して、1年後に追加接種をします。しかし、これだけでは百日咳の抗体は小学校にあがるころにはなくなってしまいます。このため小学生のお子様や大人で百日咳が増えているのです。咳き込むことによって、飛沫感染して、兄弟や接触した赤ちゃんにうつしてしまいます。繰り返しになりますが、小学生や大人は苦しいですが、死亡することはありません。赤ちゃんは死亡したり、後遺症を残す可能性があります。

このため日本小児科学会では4歳以降、年長さんの麻疹・風疹ワクチンの2期の接種の時期に、任意にはなりますが三種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア)ワクチンの接種を推奨しています。これで自分の百日咳の予防にもなり、周りにいる赤ちゃんの予防にもなります。
希望される方は、ぜひご相談ください。

スタッフコラム【子どもが夏バテになるわけ】

私たちの体は、季節が移り変わるのに合わせて、その時々の季節に慣れていく機能が自然と養われています。ところが、近年、夏の暑さが過酷になり、エアコンなしで夏を乗り切ることが難しいです。1年を通じて空調の効いた室内で過ごすことが増えたことで、季節に慣れていく能力が低下し、自律神経が乱れがちになります。こうしたことから、現代では大人も子どもも夏バテになりやすくなっているといえるでしょう。

家庭でできる夏バテ対策

(1)睡眠不足にさせない規則正しい生活

夏バテの大きな原因の一つが睡眠不足です。「暑くて眠れない」ことによる睡眠不足がだるさを引き起こします。また、寝苦しい夜はエアコンをつけて眠るご家庭もあるかと思いますが、ずっとエアコンをつけっぱなしや、タイマー設定で寝たりすることで、就寝時と起床時の気温差が大きくなり、自律神経調節が追い付かずに異常をきたすこともあります。自律神経が乱れると、目が覚めても体がだるくなり、不調を感じることになります。就寝時のエアコンの温度は27~28度くらいを心がけ、冷やし過ぎに注意しましょう。
(2)汗をかける体質にしておく

夏バテを予防するためには、体を気候環境に慣れされることも重要です。本来、人間の体は気候環境に順応する機能が備わっていますが、一定量の汗をかくことで目覚めさせることができます。汗をかくのにおすすめなのがウォーキングです。まだ気温が落ち着いている早朝などに、汗をかける早足くらいのスピードで30~40分歩きます。これを1週間ほど続けると汗腺が刺激され、汗をかける体質に変わっていきます。休日は早起きして親子でウォーキングしてみましょう。
(3)冷たいものだけでなく、栄養の偏りがない食事に心がける。

暑いと食欲が減退し、冷たいジュースやアイスばかりを摂りがちです。そして、きちんと食事をとらないことが多いと栄養のバランスが悪くなってしまいます。特に糖分の代謝にはビタミンB1を多く使いますが、ビタミンB1は夏バテ予防に大事な栄養素です。甘い食べ物ばかりでビタミンが摂取できないと、糖代謝のバランスが崩れて夏バテが悪化してしまいます。なるべくアイスやジュースは控えて、ビタミンB1が多く含まれた食事(豚肉、ハム、ウナギ、ゴマなど)を積極的に取りましょう。