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おひさま 第38号~敏感な子/ 地球温暖化とごみ問題~



かさい先生のお話【敏感な子】

HSC(highly sensitive child)をご存じでしょうか?生まれつき繊細さ、感覚の鋭さ、慎重さを持つ「敏感で感受性の高いお子さん」です。ちなみに大人の方はHSP(highly sensitive person)といいます。
HSCはアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念です。したがって医学的な病名ではなく、あくまでも本人の性質・気質という位置づけです。
発達とこころの外来をしていると、不登校や心身症のお子さんの中にかなりの頻度でいる印象を受けます。僕自身、発達とこころの外来を始めたころは医学病名ではないこともあり、この概念を知りませんでした。外来で一人の小学生の男の子の相談を受けました。お母さんから家庭で癇癪がひどくてとても困っているとのことでした。問診や発達歴を確認すると、感覚にとても敏感で、常に母の顔色をうかがい、学校では友達や先生など周りの様子をうかがいとてもいい子で、無理をして周りに合わせている様子が顕著でした。発達障がいの様な特徴が少しあるのかなとも思いましたが、その診断ではどうしてもすっきりしませんでした。他の小児科医や精神科医の先生にも相談してはみましたが、グレーっぽい発達障がいでは?とも言われました。ある時、児童精神科医の明橋大二先生のHSCに関する著書「ひといちばい敏感な子」を読んで「あっ、これだ!」と思いました。今では、外来で10人以上このタイプのお子さんを診察しています。家族歴を確認すると、親御さんもこのような気質(HSP)を持っている方が多い印象です。
今では当院の心理カウンセリングを受けているお子さんの中で最も多くなっています。基本的な対応は、周りの様子を敏感に感じ取っているお子さんなので、周囲の環境を過ごしやすくしてあげること、一番大切なことはお母さんを中心とした家族が楽しく生活することです。HSCのお子さんはまわりの良い雰囲気を感じて安心感を得て心地よくすごせます。HSCのお子さんも成長してもずっとつらい訳ではなく、自分の特徴を自己理解して、自ら敏感さに対処しながら生活することによって、生活しづらさが少なくなっていきます。
現在、発達障がいに関しては園や学校で先生方の認知度が高くなっている一方で、HSCに関しては残念ながらほとんど認知されていないと思います。もう少し理解がすすめば、集団生活がしやすくなると思うのですが・・・。
HSCのことをもう少し詳しく理解したい方に、一番おすすめの本は明橋大二先生が書いた「HSCの子育てハッピーアドバイス」です。マンガがふんだんにあり、理解しやすく書かれています。興味のある方は一度読んでいただくとよいでしょう。

スタッフコラム【地球温暖化とごみ問題】

ここ数年、夏になると高温注意報などと天気予報で言われるようになりました。
確かに年々、気温が高くなったと感じる方も多いのではないでしょうか。
最近話題になっている、地球温暖化問題は全世界のテーマです。京都議定書に代わる新しい地球温暖化対策のルール、「パリ協定」で全ての国が削減目標を作りましたが、実際何か変わったかと言うと、変わっていない気がします。
先日9月23日には具体策を表明する「気候行動サミット」で、スウェーデン人の女子学生、グレタ・トゥンベリさん(16)が泣きながら「私たちは絶滅の始まりにあるのに、あなたが話すのはお金や永続的な経済成長のことばかり」と怒りをあらわにしました。16歳の少女の切実な訴えで、今後どのように動いていくでしょうか。

日本では2030年までにCO2排出量26%削減を目標としています。一言で26%と言われてもピンときませんが、実践していかなかったら確実に気温は上がっていくことだけは分かります。CO2削減のために私たちが出来ること。いろいろありますが、身近なところでは不要なものはなるべく買わない、そして燃やすごみを減らすことでしょうか。
家庭からのごみをなるべく出さないように、出来るものはリサイクルして燃やさないようにするなど、ちょっとした意識で減らすことが出来ると思います。
下のグラフは岐阜市の1年間の家庭ごみの量を調べたものです。全体の量(薄い色)を100として、(濃い色)は紙の量の割合を示しています。なんと全体の30%ほどは紙でその大部分は資源に変わるものです。それを各家庭で分けることが出来たら、かなりCO2を減らすことが出来るでしょう。


今、私たちが意識していくことで、次世代の子どもたちの環境が大きく変わることを忘れないようにしたいですね。