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おひさま 第4号~こどもの発熱 / やけどについて~



おくむら先生のお話【こどもの発熱】

随分寒くなり、空気が乾燥し、風邪をひきやすい季節がやってきました。こどもは抵抗力がないため、風邪をひき、よく熱をだすものです。高熱になると不安になると思いますが、40度の熱があっても、1週間続いたとしても、熱自体で脳などに障害をきたすことはありません。熱が高いだけでは重症とは限らず、重症の場合には反応がにぶかったり何か不機嫌だったり、他のサインを出してきます。解熱剤を使う目安は38~38.5度以上とされていますが、熱が39~40度あっても元気に遊んでいたり、ぐっすり眠っているようでしたら、解熱剤を使う必要はありません。むしろ体温が高い方が、体の免疫が病原体と戦いやすくなっている状態です。熱が出るとぐったりして、休息する機能が人間には備わっているため、熱が出ている時は、ゆっくり休ませてあげることが大切です。ただし、機嫌が悪く眠れない場合や、水分がとれない場合は解熱剤を使ってあげるとよいでしょう。
熱が高いと痙攣を心配される方もみえますが、熱が高いからといって痙攣するわけではなく、急激に熱が上昇するときに痙攣します。お子様の10人に1人は経験するといわれています。短時間の痙攣は脳に障害を残すことはありません。痙攣とまぎらわしいのが悪寒です。痙攣であれば一時的に意識がなくなりますが、意識があって、視線もあい、よびかけに反応するようなふるえやぴくつきは悪寒です。こんな時は温めてあげてください。悪寒がおさまり、熱が上がりきったら、涼しい環境にしてあげてください。

インフルエンザの時の解熱剤

解熱剤にはいくつか種類がありますが、インフルエンザの時、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー、カロナール、コカールなど)以外の解熱剤は、脳炎・脳症の発症率をあげるという報告があり、お子様にはおすすめできません。具体的にはジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、メフェナム酸(ポンタール)といったものです。これからの季節、注意が必要です。
インフルエンザに限らずお子様の発熱は、無理に平熱に下げる必要はなく、多少下がってお子様が楽そうになり、ぐっすり眠れたり、水分がとれれば効果としては十分です。効き目がきれればまたあがってきます。お子様が使用する解熱剤はアセトアミノフェンで十分と考えます。

スタッフによるコラム【やけどについて】

寒くなり、暖房器具や暖かい食べ物が欲しい季節ですね。こどもにとって大人が触っているものはとても興味のあるものです。これからの季節によく使われる、ストーブやヒーター、こたつ、お鍋…
ちょっと触れるだけでも大やけどにつながる可能性もあり、とても危険です。もし、お子さまが何かの拍子にやけどをしてしまったら、まずは水ですぐに冷やしましょう。

手足のやけど

水道水を出しっぱなしにして冷やします。

顔や頭のやけど

シャワーなどで水をかけ続けます。顔で流水がかけられない場合は、水で濡らしたタオルを当てます。

全身のやけど

水を溜めた浴槽の中につけたり、水に濡らしたタオルなどで身体を包むようにして冷やします。服を着ている部分をやけどしてしまったら、服のまま流水で冷やします。無理に服を脱がそうとすると、やけどの部分の皮膚も一緒に剥がれてしまう可能性があります。全身の場合、体温が下がってしまう可能性があるので様子を見ながら行います。

冷やしたら、早めに医療機関を受診しましょう。

年末に向けて慌ただしくなったり、イベント事もたくさんあり楽しい季節ですが、安全面には十分気をつけてお過ごしくださいね。