おひさま 第42号~子宮頚がんとワクチン / 子どもの耳掃除~
おくむら先生のお話【子宮頚がんとワクチン】
子宮頸がんは数少ない予防できるがんです。一次予防としてのHPVワクチンと二次予防としてのがん検診が有効に機能すれば、子宮頸がんの撲滅も夢ではないといわれています。
- 子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマーウイルス)の感染によっておこります。
- HPVは性行為により感染します。女性の8割が知らないうちに感染しています。
- 子宮頸がんの現状-日本では年間15000人が発症し、約3500人が死亡しています。近年では20~30歳代の若年女性の子宮頸がんが急激に増加しています。これは生命予後の観点だけでなく、早期にみつけて手術しても妊娠・分娩の機会を失うという問題もおこってきます。
- 子宮頸がん検診だけやっていればいいのか・・・検診の検出感度は70%程度です。検診だけでは限界があります。また日本では検診受診率は高くありません。
- HPVワクチンの効果-自然感染の数十倍もの抗体が産生され、長期間にわたり持続し、性行為によるHPVの子宮頸部への感染をほぼ100%排除します。しかしすでに感染しているウイルスを排除したり、前がん病変の進行を遅らせたり、消滅させることはできないので、最も効果的な接種時期は初交前です。すでにHPVワクチンが定期接種として導入されている海外の国々では、前がん病変の予防効果はほぼ100%に近いと報告されています。
- HPVワクチンの副反応―接種部位の疼痛、発赤、腫脹が最も多く、メディアなどで繰り返し報道されている持続的な疼痛や運動障害の報告もあがっています。ただしこの症状は直接ワクチンの薬害であるという証明はできておらず、ワクチン接種をしていない人でも同様の割合で出現するという報告があります。
現在小学校6年生~高校1年生の女子は定期接種の対象になっています。
さまざまな情報に惑わされず、子宮頸がんのこと、ワクチンのことを理解したうえで、子宮頸がんを予防する機会を逃さないようにしてください。
さまざまな情報に惑わされず、子宮頸がんのこと、ワクチンのことを理解したうえで、子宮頸がんを予防する機会を逃さないようにしてください。
スタッフコラム【子どもの耳掃除】
お子様の耳掃除、どのくらいのペースでやっていますか?
子どもは耳掃除する必要がないと聞いた事があるお母さんも多いようですが、耳垢が溜まりすぎるとカチカチになって無理に剥がそうとすると皮膚を傷つけます。耳垢栓塞といって耳垢が固まり耳栓のようになり、周りの音も聞こえづらくなります。そのまま放置すると炎症をおこして外耳炎の原因にもなります。
子どもは耳掃除する必要がないと聞いた事があるお母さんも多いようですが、耳垢が溜まりすぎるとカチカチになって無理に剥がそうとすると皮膚を傷つけます。耳垢栓塞といって耳垢が固まり耳栓のようになり、周りの音も聞こえづらくなります。そのまま放置すると炎症をおこして外耳炎の原因にもなります。
【耳垢とは】
耳垢とは新陳代謝で古くなった外耳の皮膚の一部や耳に入った埃、ゴミなどが混ざり合ってできたものです。
【耳垢の役割】
外からの異物の侵入、雑菌の繁殖を防ぐ・耳の中のデリケート皮膚の保護といった役割を持っています。そのためきっちり全て取り除かなければならないわけではなく、ある程度耳垢がある事で耳の中を保護してくれます。
【子どもの耳掃除の仕方】
子どもの耳掃除は、耳かきではなく綿棒がお勧めです。ベビー用綿棒は子どもの小さな耳穴にも入りやすくてよいでしょう。子どもの頭をしっかり押さえ耳たぶを少し後ろに引っ張り、汚れが見える部分だけを拭いましょう。(カサカサした耳垢は綿棒にベビーオイル、ワセリン、オリーブオイルをつけると取れやすくなります。)
【耳掃除の注意点】
- 綿棒は耳の奥まで入れないようにしましょう。入り口から1㎝が目安です。
耳垢は奥まで掃除をしようとすると鼓膜などを傷つけたり、逆に耳垢を奥に押し込んでしまったりする事になります。 - 周囲を確認してからやりましょう。
耳掃除をしている際に兄弟がぶつかって怪我をする事も少なくありません。安全な場所で周囲を確認してから行いましょう。(綿棒は子どもの手の届かない場所に置きましょう。) - 耳垢は皮膚の表面にある毛の動きや、食事、会話の際に顎を動かすことで自然に奥から押し出されるので、耳掃除の頻度は月に1、2回ほどが好ましいです。
ただし、耳を頻繁に気にする、声をかけても反応しない、テレビの音を大きくする、耳が臭う、耳から黄色い液体がでるなどの症状があれば耳鼻科を受診しましょう。