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おひさま 第47号~子宮頸がんワクチン / 病院受診の目安って?~



おくむら先生のお話【子宮頸がんワクチン】

現在小学校6年生の女の子にHPVワクチンの問診票が郵送され、問い合わせが増えています。あらためてHPVワクチンの紹介です。HPVワクチンは子宮頸がんの予防のワクチンです。子宮頸がんは数少ない予防できるがんです。一次予防としてのHPVワクチンと二次予防としてのがん検診が有効に機能すれば、子宮頸がんの撲滅も夢ではないといわれています。
  • 子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマーウイルス)の感染によっておこります。
  • HPVは性行為により感染します。女性の8割が知らないうちに感染しています。
  • 子宮頸がんの現状-日本では年間15000人が発症し、約3500人が死亡しています。近年では20~30歳代の若年女性の子宮頸がんが急激に増加しています。これは生命予後の観点だけでなく、出産年齢のピークと重なるので、早期にみつけて手術しても妊娠・分娩の機会を失うという問題もおこってきます。
  • 子宮頸がん検診だけやっていればいいのか・・・検診の検出感度は70%程度です。検診だけでは限界があります。また日本では検診受診率は高くありません。
  • HPVワクチンの効果-自然感染の数十倍もの抗体が産生され、長期間にわたり持続し、性行為によるHPVの子宮頸部への感染をほぼ100%排除します。しかしすでに感染しているウイルスを排除したり、前がん病変の進行を遅らせたり、消滅させることはできないので、最も効果的な接種時期は初交前です。すでにHPVワクチンが定期接種として導入されている海外の国々では、前がん病変の予防効果はほぼ100%に近いと報告されています。
  • HPVワクチンの副反応―接種部位の疼痛、発赤、腫脹が最も多く、メディアなどで繰り返し報道されている持続的な疼痛や運動障害の報告もあがっています。ただしこの症状は直接ワクチンの薬害であるという証明はできておらず、ワクチン接種をしていない人でも同様の割合で出現するという報告があります。

小学校6年生~高校1年生の女子は定期接種の対象になっています。さまざまな情報に惑わされず、子宮頸がんのこと、ワクチンのことを理解したうえで、子宮頸がんを予防する機会を逃さないようにしてください。

スタッフコラム【病院受診の目安って?】

新型コロナウイルスの流行で、外出の自粛が呼びかけられていますが、病院への“受診控え”もみられるようになりました。感染リスクを恐れて受診を控えるお母さん方の気持ちもとてもよく分かります。ですが、受診をためらい自宅で頑張ってしまい、中には重症化してから病院へ受診するというケースも増えているようです。このような状況に、「初期の症状のうちに治療できていたら…」と先生方はお話してみえました。恐れるがあまりの行動で、お子さんの健康が守れないのは保護者の皆さんも悔やまれることではないかと思います。

今回は発熱時の受診の目安と家庭でのケア方法を紹介します。

【発熱とは?】
発熱はからだの中でウイルスや細菌と闘うための防御反応です。体温が上がることで、ウイルスや細菌の活動が弱まり、感染の悪化を防ぐことができます。
【受診の目安】

生後3か月未満…発熱初日でも受診してください。感染症の可能性もあります。
生後3か月以上…機嫌がよく、症状が発熱のみの場合は急いで受診する必要はありません。
1~3日は自宅で様子をみて、4日以上続く場合は受診してください。夜間に発熱した場合も急いで夜間救急にかかる必要はありません。翌日まで待ちかかりつけ医に相談してください。
※反応がにぶい、呼吸が苦しそうなどの症状がある場合は早めに受診してください。
【解熱剤の使い方】

解熱剤は、熱によるつらさを軽くするための薬で、病気自体を治す薬ではありません。体温計の数字に振り回されず、お子さんの様子(ぐったりしている加減・機嫌・食欲・咳嗽など)をみてください。
  • 38.5度以上で辛そうにしていたら使いましょう。
  • 高熱でも元気そうなら使わなくてもいいです。お子さんは大人に比べ、熱に強いのです。ぐっすり眠っていたら無理に起こしてまで使う必要はありません。
  • 一度使用したら次使用するまで6時間以上はあけましょう。
【体の冷やし方】

わきの間や、足の付け根、首の後ろの大きな血管があるところを冷やすと体は冷えやすくなります。
例えば、使用していないストッキングに保冷剤を入れタスキがけをし、脇を冷やす。
保冷剤をタオルでくるみ、抱っこしたときに背中にあてる。
子どもがいやがるときは無理強いせず、薄着にし、冷房を活用してください。
汗をかいたらこまめに取り換えて、水分をとらせることも大切です。

お熱以外の症状でも、お子さんの様子が“いつもと違う気がする”“どうしたらいいのかな”と迷ったら一人でかかえこまず、一度かかりつけ医に相談してみてください。
当院でも電話再診が可能(受診したことのある方のみ)です。利用してみてください。