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おひさま 第48号~発達障がいとからだ / 熱中症対策~



かさい先生のお話【発達障がいとからだ】

最近発達障がいの分野では、からだや身体感覚の問題が日常生活に大きな影響を受けることが言われるようになってきています。自閉スペクトラム症の新しい診断基準のなかに感覚過敏の項目が入るようになったように、からだや身体感覚の面がクローズアップされるようになってきています。今までは、自閉スペクトラム症ではこだわり、対人関係の苦手さ、コミュニケーションの苦手さ、ADHDであれば多動・衝動面や不注意など行動面の問題におもな視点が当たっています。そのような行動面の問題の根底にからだや身体感覚が大きく影響していることがわかってきています。外来をしていていても、からだや身体感覚が日常生活に大きく影響をしていると感じます。

感覚過敏/鈍麻では様々な感覚の敏感さ鈍感さが日常生活のストレスとなります。特に学校や保育園・幼稚園の集団生活は様々な刺激に溢れた空間です。音や光、臭いなどの五感は、本人は生まれた時からそのような感覚刺激を受けているので、周りの子はどうしてこんな感覚に我慢できているのだろう?と違和感を持っているお子さんもおられます。そして知らず知らずの間に感覚刺激がストレスとなり、イライラや癇癪を起こしやすかったり、登校しぶりや不登校の要因になったりもします。現在、集団生活の場では感覚過敏/鈍麻への配慮はまだまだしてもらえていないと感じます。
からだの面では発達障がいのお子さんは発達性協調運動障害(DCD)と言われる、「異常とまでは言い切れないが、正常では絶対ないような体の使い方の不器用さを抱えるお子さん」が多いことです。小学校に上がってから、姿勢保持の苦手さ、体の使い方の不器用さは学習面にも大きく影響してきます。DCDの症状は大人になっても影響します。疲れやすく仕事が長く続かない、不器用なことが多く仕事でミスをすることが多く叱責を受けやすくなるなどです。

これからは発達障がいの行動面だけでなく、からだや感覚の面にも注目してみていく必要があると思います。リハビリの分野では、運動をしっかりおこなうことによって、疲れないからだ、器用なからだを作ることで、感覚の過敏さも改善すると言われています。特に小学生までは身体能力が最も伸びる時期です。確かに外来で診察している発達障がいのお子さんで、小さい頃からスポーツや運動でからだ作りを熱心に取り組んだ子さんは思春期にくらいになると落ち着いて生活ができるお子さんが多いと感じています。

発達の特性を持ったお子さんの親御さんには、小さい頃は勉強よりからだ作りをしっかりしてくださいとお話しするようにしています。

スタッフコラム【熱中症対策】

今夏は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのマスクの着用や、自粛期間中の運動不足などで熱中症のリスクが例年以上に高まっています。
「熱中症」とは? ・・・暑い環境や体温が下がりにくい環境にいることで体温を調節する機能が狂ったり、体の中の水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こる、めまいや頭痛、けいれん、意識障害などの症状をいいます。
環境要因
  • 気温や湿度が高い
  • 風が弱い
  • 日差しが強い など
身体要因
  • 高齢者や乳幼児
  • 肥満体型
  • 疲れや寝不足
  • 体調不良
  • 暑さに慣れていない など
行動要因
  • 激しい運動
  • 水分・塩分の補給不足
  • 休憩不足
  • 服装 など

マスクの着用

高温多湿にも関わらず外出時にはマスクを着用するという環境下では、体に負担がかかることがあります。マスクを着用している時は、負荷のかかる作業や運動は避けましょう。また周囲の人との距離を十分にとれる場所では、マスクを外して休憩することも必要です。

涼しい場所へ

暑い日や時間帯を避けて外出するように心がけましょう。
少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動してください。
屋内でエアコンを使用する場合には、新型コロナウイルス対策のために、冷房使用時でも適宜換気を行うようにしましょう。

水分補給

のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。
水やお茶、電解質濃度が低い飲料を摂るだけでは、脱水改善に必要な水分と電解質(塩分など)の補給は十分にできません。激しい発汗、発熱、嘔吐、下痢などで、体の水分と電解質が大量に失われているときは経口補水液の摂取をおすすめします。
市販で売られている経口補水液は、OS-1やアクアライトORSなどがあります。

服装

涼しい服装を心がけましょう。
帽子を着用したり、日傘を使用するなど直射日光を避ける工夫をしましょう。