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おひさま 第54号~ ワクチンの役割 / 子どもの便秘症 ~



おくむら先生のお話【ワクチンの役割】

世界中が新型コロナウイルスで大さわぎになり、はや1年がたちました。
いろいろなことが分かってきていますが、最近になり、いよいよワクチンの話題もでるようになってきました。
以前から機会があるたびにワクチンのことはお伝えしてきたつもりですが、所詮他人事、うちの子は大丈夫、かかったほうがお金がかからないし、などワクチンに対して消極的な方がかなりみえたと思います。が、このコロナ禍、みなさんの考え方も少しずつかわってきたのではないでしょうか。(私からみればお子様にとっては、コロナよりヒブや肺炎球菌、麻疹のほうがよっぽど怖いですが・・・)
そもそもワクチンを接種する目的はなんでしょうか。

1.2はワクチンを接種する本人のための目的です。
3は自分がかかることによりまわりの人にうつし、とりかえしのつかないことにならないようにするのが目的です。例えば自分は水痘にかかったけど、軽症だった。ただ、心臓に持病のあるお友達にうつしてしまい、お友達が亡くなってしまった。風疹にかかった。
自分は軽症だったけど、妊娠中の女性にうつしてしまい、おなかの中の子が先天性風疹症候群となり、難聴や、白内障、心臓病など重い障害をもってうまれてきた。これらは現実の話です。自分がコロナに感染した。軽かったけどおばあちゃんにうつしてしまい、亡くなってしまったなどです。
集団としてワクチンの接種率があがれば、かかる人が減り、流行がおさえられます。
ワクチン接種は、自分のため、そしてみんなのためのものなのです。

スタッフコラム【子どもの便秘症】

コロナ禍で例年とは過ごし方が違ったという方も多かったと思いますが、年末年始はどうお過ごしでしたか?年末年始は長期休みや帰省などで生活リズムが変わりやすい時期です。また食事も偏りがちで体を動かす機会も減るため、便秘になりやすいタイミングでもあります。年明けに便秘で受診された患者様も少なくはない印象でした。

子どもの腹痛の原因で多いのが便秘です。

一般的に便秘とは週に3回以上排便が出ない、または5日以上排便が出ない時を言います。毎日便が出ていても、ウサギの便のようなコロコロの便が少しだけ出ている状態や、大きな塊の便が出ている状態では、よい排便とは言えません。また、以下に当てはまる様子がある際も便秘の可能性があります。

・排便時に痛みがある
・いきんでいる時間が長い
・お腹が張っている
・便に血液が付着している
・パンツに便が付いている

便秘になると何が悪いの?

小さい頃から便秘を繰り返していると、大きくなってからも便秘に悩まされてしまいます。
通常、便が肛門の近くに来ると、脳にその感覚が伝わることで便意を感じます。様々な原因で便をこらえると、直腸に便が常に溜まった状態になり、新しい便が上からやってきても便意を感じなくなってしまいます。その結果、便はどんどん溜まって大きく硬くなり、排便時に痛みを生じるようになります。痛い思いをすると排便を我慢するようになり、更に便秘が悪化してしまう「便秘の悪循環」に陥ってしまうのです。

便秘症の治療

「浣腸は癖になりませんか?」「薬を飲むと薬がやめられなくなるのでは?」と心配される方は多いと思いますが、浣腸や薬は癖になるものではありません。重要なのは便を溜めないことです。
子どもの便秘の治療は、便秘が癖にならないように排便習慣や食事、遊びに気をつけ、必要な場合にはお薬を使って排便を助けてあげながら、排便機能が育ってくるまで気長に見守ってあげることが大切です。
【排便習慣】決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。はじめは座るだけでもほめてあげましょう。トイレでは踏み台を使って両足で踏ん張り、前傾姿勢をとらせます。赤ちゃんは綿棒浣腸や腹部の「のの字」マッサージで排便を手助けしてあげましょう。
【食事】1日3食規則正しく食べましょう。食物繊維を含む野菜、芋・豆類、果物、海藻類を摂るとよいです。
【運動】外で遊ぶ、散歩をするなど適度な運動は、腸の動きを促し便通をよくします。