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おひさま 第55号~ 発達とこころの外来について / 子どもの事故防止 ~



葛西先生のお話【発達とこころの外来について】

「発達とこころの外来」をはじめて6年を超えました。予約患者さんが多く、たくさんのお子さんや親御さんをお待たせしまって大変申し訳なく思っています。少しでも早く診てあげたい思いはあるのですが、この分野は子育てと同じで、一人一人のお子さんに手間暇を惜しんではいけないと考えているため、時間的制約がありこのような状況になっていることをお許しください。

「発達とこころの外来」で特に大切にしているのは、初診時の問診です。一般の診療との大きな違いは、初診時にお子さんが生まれてから現在に至るまでの育ってきたヒストリーを丹念に事細かに聴いていくことです。基本的に今起こっているお子さんの問題行動や気になるご様子は、生まれてから現在までの様々な事が積み重なって起こっていると考えています。そこを根掘り葉掘り聴くことによって、糸口をつかむように心がけています。そのお子さんのヒストリーを1時間程度かけて聴くことが多いですが、それでは足らないなあと思うことさえあります。診療では大きく3つに分けて考えるようにしています。①はお子さん自身の生まれ持った特徴や性格です。例えば発達障がいの特性、敏感気質、手のかからないいい子さんなどです。②は家族の関係性、親との関わり合いに関することです。しつけ、過保護・過干渉、DV、親の不仲・離婚、家族の病気、兄弟や祖父母との関係など。③は社会・生活環境に関することです。お子さんだと主に園や学校になりますが、友人関係、いじめや学業不振、先生との関係など。①②③に関しておおよそ分類はしてみますが、実際外来をしているとどれか1つということはまずありませんし、同じ症状でも、お子さんの背景はみな全く異なっています。

一方、原因に関して分類しても簡単に解決に至らないことも多いですが、どの点に問題がありそうなのか、どこか少しでも改善する余地はないか、何か上手く手助けできないか考えていきます。
実際外来をしていると②の家族の関係性、お子さんと親御さんとの関わりの関係性が大きく影響しているなあと感じています。子どもに症状が出ているので、お子さんを何とかして欲しいと受診をされますが、親御さんが積極的に問題意識を持って勉強し、関わり合い方を修正して取り組まれると、お子さんの経過が良くなっていくことが多いと実感しています。お子さん本人を何とかしようと思うより、家族の関わり合いや、まわりの環境を修正していくことが近道となることが多いように感じています。

スタッフコラム【子どもの事故防止】

子どもは色々なものに興味があり、危険なものを自分で判断するのは難しいです。当院でもベッドやソファーの上から落ちてしまったが受診した方がいいか、ボタン電池を飲み込んでしまったかもしれないがどうしたらいいか、などの問い合わせは少なくありません。そのような事故が起こらないようにするには、子どもからできるだけ目を離さないようにしましょう。また、危険なものがないか子どもの目の高さで周囲を見回して予防をすることが大切です。

◆起きやすい事故◆

【転落事故】
ソファーやベッド、玄関、ベランダなど
【誤飲】
ボタン電池、磁石、たばこ、化粧品、洗剤、プラスチック等の小さなおもちゃなど
【やけど】
ストーブ、アイロン、ポット、鍋など
【怪我】
扉(サッシ、引き戸、網戸)、ハサミやカッター類など

◆対策として◆

【転落事故】
→寝返りをしたり、つかまり立ちをするかもしれないので、一人で高さのあるソファーやベッドに置いておかない。ベッドの周りに落下防止の柵をする。
【誤飲】
→子どもの口に入りそうな小さなもの、口に入れると危険なものは、子どもの手の届かないところに置く。
【やけど】
→ストーブの前に柵をして手などを触れないようにする。アイロンやポット、鍋は手の届かないところに置く。コードを引っ張らないように注意する。
【怪我】
→手を挟まないよう、扉は簡単に開けることができないようストッパーをする。ハサミやカッターは手の届かない所に置く。
上記以外にも様々な事故は起きることがあります。子どもから目を離さず、ずっと見ていることはなかなかできません。心構えだけでは事故は防ぐことはできないので、危険なもの、事から予防できるよう、一度家の中やお子さまの様子をチェックしてみてください。