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おひさま 第8号~新学期によくあること・・。/子どもとお手伝い~



かさい先生のお話【新学期によくあること・・。】

春の入園、入学の季節によく見られる、母児分離不安(分離不安障害)って?あまり聞いたことのない方が多いと思います。簡単に言うと、新学期にお母さんからなかなか離れられない子どもたちのことです。
よくあるのが、幼稚園に通い始めてバスに乗る時にお母さんから離れず、泣きながら強引に先生にバスに乗せられるお子さんや、保育園の門でお母さんから離れられず嫌がって強引に先生に教室に連れて行かれるお子さんです。どのお子さんでも最初はある程度みられますが、通常は1か月もすれば新しい生活にも慣れてなくなってきます。しかし母児分離不安では何か月たっても慣れずいつまでもそのような状態が持続してしまいます。このようなお子さんは、基本的に不安が強い状態になっています。本人の性格や発達の特徴なども関与していることもありますが、一般的に母児関係で十分に甘えることができなかったお子さんに多いと考えられています。よく親御さんから「子どもを甘やかしたから離れられないのではないか」、「無理にでも離して頑張って慣れてもらわなければならないのではないか」と質問されますが、実際は甘えが不十分なために不安で離れられないのです。

子どもは小さい頃はこころの面でお母さんと一体化しています。徐々に成長しながらお母さんから離れていきます。初めのうちはお母さんが近くにいないと遊べなかった状態から少し離れて遊びながら不安になると振り返ってお母さんの微笑んだ顔を確認して安心しまた遊びます。そうやって、お母さんからだんだん離れていきます。そのうち子どものこころの中にお母さんの姿がしっかりできてくると、お母さんがこころの中にいて大丈夫と思えるようになり、お母さんがいなくても安心して遊べるようになってきます。
したがって、そのような状態が見られる場合には子どもに厳しくして頑張って環境に慣れてもらうのではなく、子どもの情緒的な欲求にしっかりこたえ、スキンシップなど甘えられる環境や時間を十分に確保することが大切です。そうすることによってお母さん像が子どものこころに形成されてくると不安が少なくなって症状も落ち着いてきます。

スタッフによるコラム【子どもとお手伝い】

お子さまは、お手伝いをしていますか。最近、幼児教育で『お手伝い』は重要なことだと考えられています。お手伝いをすることで、子どもはたくさんのことを学ぶことができます。人の役に立つこと、責任をもってやることで、子どもは自然と自信を持ち、人のために何かしようという思いやりの気持ちも育ってくるのです。

お手伝いをしてもらうには

まずは簡単なことから
年齢に合わせて、できることからやり始め、少しずつ自信を持たせてあげましょう。例えば、3歳ぐらいの子であれば、おもちゃを片付けることだけでも立派なお手伝いになります。成長するにつれ、できることを増やしていくと良いですね。
楽しくお手伝いを
「あれをしなさい」「これをしなさい」と命令口調で言ってしまうと、子どもはお手伝いを嫌なことだと思ってしまいます。また、子どもは慣れるまでに時間がかかってしまうので、「早くしなさい」と言うのも良くありません。
また、子どもだけがやるのではなく、家族みんなで、ゲーム感
覚でやると楽しんでできると思います。

うまくできたら褒めてあげる
最初はできなくても当たり前です。また、お手伝いが終わるまで時間がかかることもあります。大人がやれば早く終わってしまうかもしれませんが、お母さん、お父さんはできるまで見守ってあげてください。終わったら、褒めてあげるといいです。自分でできた達成感を感じられ、次第にお手伝いを自分からしたいと思うようになります。

子どもにとってお手伝いは、将来大人になり生活していく上での自信になります。また、お手伝いを通して人の役に立つという経験は、豊かな心を育てることにも繋がります。幼稚園や学校がある日は、お子さまも疲れてしまいます。まずはお休みの日に、できることからお手伝いをしてもらってみてはいかかですか。