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おひさま 第88号~ アデノウイルス感染症 / 診察の準備にご協力を! ~



おくむら先生のお話【アデノウイルス感染症】

 暖冬とはいえ、ずいぶん気温も下がり、秋から冬にさしかかろうかというこの時期にアデノウイルス感染症が流行しています。
 主に小児科に受診されるアデノウイルス感染症は俗に言うプール熱のことですが、通常ですと夏に流行する感染症です。おそらくここ数年コロナ対策のせいで、流行がなく、免疫をもたないお子様が増えたため、次から次へと感染し、流行がとまらないのではないかと思います。私からみると、コロナの何倍も大変です。お子様の場合、コロナウイルスに感染しても数日の発熱のみで、元気な子がほとんどですが、アデノウイルスの場合はそうはいきません。39〜40度の高熱が4〜5日、長いと1週間ほど続きます。典型的な症状のお子様だと、解熱剤を使っても38度以下にはならず、数時間でまた40度にあがるといった、高熱を繰り返します。数日たつと、扁桃に白苔がついて、鼻詰まりがひどくなり、息苦しくなります。目が赤くなり、結膜炎の症状や、腹痛、下痢の症状がでるお子様もみえます。

 アデノウイルスは当然ウイルスなので、抗生物質は効かず、インフルエンザのように薬があるわけではないので、治療としては、解熱剤などの対症療法のみで、自然と治るのをまつしかありません。症状の辛さからみると、インフルエンザより辛いかもしれません。アデノウイルスは感染力が非常に強く、咳や鼻汁などの飛沫でも感染しますし、便の中にも排泄されるため、便から感染することもあります。潜伏期間はインフルエンザより長めで5〜7日、最初にかかった子が治りかけた頃に、うつされた子が発症します。
 感染を防ぐための特別な方法はなく、手洗い、うがい程度でしょうか。当然症状の強い時期に感染力が強いのですが、症状がなくなってからでも数週間便からウイルスが排泄されているので、感染予防はなかなか難しいのかなと思います。もしかかってもあわてる必要はなく、高熱で苦しいようでしたら、解熱剤をうまく使いながら、食事、水分をとらせてあげて、乗り切りましょう。

スタッフコラム【診察の準備にご協力を!】

 秋も深まり寒さが増し、風邪などの症状で受診されることが多くなる時期です。
受診される方が多くなると診察が混雑し待ち時間も長くなります。診察前の準備や診察時の介助方法を実践していただくことで診察がスムーズにいき、待ち時間短縮に繋がります。ぜひご協力をお願いします。

診察前の待合室での準備

すぐに診察ができるように洋服のボタンを外して待ちます。
●上着など厚手の衣服は、あらかじめ脱いでおくようにお願いします。
●上半身は胸上・背中は肩甲骨まで大きくまくれるようにお願いします。
●乳幼児のロンパースは、下のボタンをあらかじめ外しておいてください。

診察前に待合室で飲食することはおやめください。
診察時、口の中を見るときに反射で嘔吐したり、
飴などで誤飲することもあります。

診察室での対応

診察室で小さなお子様1人では上手に座れない場合があります。
未就学児のお子様はできるだけ保護者と座っていただくようお願いします。
診察中、「子どもを抑えるのはかわいそう」と抑えを緩くしてしまう方がみえますが、動いてしまうことで正しく診察できなかったり、診察時の道具などで思わぬ事故につながることがあります。特に抑えが必要な診察(例 のど、耳の診察等)は、しっかりと抑えるようにしてください。

診察時の抑え方
●0-4ヶ月はベッドに寝かせて診察します。その際は、おむつ1枚にして診察する
場合があります。
●小さなお子様ののど・耳の診察では、保護者のお手伝いをお願いします。
両腕で前から両手を抑え、お子様の足をしっかりと保護者の足で挟み込み、足・腰・腕をしっかりと抑えます。
●インフルエンザなどの簡易検査を行う場合は、細い綿棒を鼻のかなり奥まで
入れたり、綿棒で咽頭を拭います。お子様が少しでも動くと非常に危険です
ので、診察時と同様にしっかり抑えましょう。
●予防接種時も抑えが緩いと動いてしまい、
針が抜けたり曲がったりしてしまいます。
診察時同様しっかりと抑えましょう。