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おひさま 第93号~ 麻疹 / 自分のことは自分でできるかな?~



おくむら先生のお話【麻疹】

 2024年の2月以降、国内で麻疹ウイルスに感染した方の報告があいついでいます。麻疹は麻疹ウイルスに感染することによって発症し、通常でもかなりつらいのですが、重症化することの多い感染症です。特効薬はなく、対症療法(症状をやわらげる治療)のみで、なおるまで我慢するしかありません。新型コロナウイルスの流行の影響で国内外でのワクチン接種率が低下し、麻疹に対して免疫をもたない方が増えてきた影響と思われます。
 麻疹ウイルスに感染すると7〜21日の潜伏期間をへて、発症します。感染力は非常に強く、空気感染で、集団の中で一人の発症があれば免疫のない人は必ずうつる、すれ違っただけでもうつると思ってもいいくらいです。麻疹の患者さん一人で12〜18人の免疫のない人に感染させます。症状は38度以上の高熱、咳嗽、鼻汁、結膜炎(目の充血、眼脂)の症状で始まり、口の中の頬粘膜に白い斑点(koplik斑)が出現します。一旦解熱したのち再び発熱し、全身に発疹が出現し、しばらくの間色素沈着が残ります。通常7〜10日間程度で徐々に回復していきます。肺炎、脳炎、中耳炎などの合併症を起こすことがあり、重症肺炎や急性脳炎では命に関わることもあります。特に幼児、免疫不全などの基礎疾患のあるお子様、妊婦さんは重症になりやすいです。
 また麻疹にかかって数年の無症状の期間を経て発症する、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を合併することがあります。麻疹にかかった方の数万人に一人が発症する病気で、最初学校の成績低下、記憶力の低下、いつもと違った行動、感情不安といった精神的な症状や、歩行が下手になった、持っているものを落とす、字が下手になった、体ががくんとなる発作(失立発作)が起こるなどの症状できづかれ、発症後は数ヶ月から数年の経過で徐々に神経症状が悪化し、数年から十数年で意識消失、ねたきりとなり、死に至ります。
 はしかにかかると、それだけでも普段の風邪とは比べものにならないくらい大変なうえに、重症化、時には死に至ることもあります。急性期を脱しても数年後死に至る合併症を発症することもあります。麻疹に特効薬はありません。かからないようにワクチンで予防するしかないのです

スタッフコラム【自分のことは自分でできるかな?】

 お子様のご入学・ご入園・ご進級おめでとうございます。
 お子様は家にいる時、どのくらい自分のことを自分でしていますか?少し時間をかければできる事も大人にしてもらったり、大人がしてしまったりする事はありませんか?身の回りの事を自分ですると言うことは、こどもが自立するための第一歩です幼児期・児童期・思春期でできる事は違いますが、年齢や、発達に合わせて自分の事は自分でする習慣をつけていきましょう。
★幼児期の子ども(1歳~5.6歳)
 自分で何でもしたがる時期です。子どもが自分でしようとしたら最初は親が手伝いながらやり方を教え、少しずつ手伝いを減らして行きましょう。出来たことは褒めて、達成感や満足感を味わわせましょう。

 例えばこんなこと

 ・使った玩具、読んだ絵本などを片付ける。
 ・着替えを一人でする。
 ・脱いだ服を自分で畳む。
 ・おうちの人と一緒に幼稚園、
       保育園などに行く準備をする。

★児童期(5歳~12歳)
 自分の事以外にもお手伝いなどを通して家族の役に立つ喜びを味わわせましょう。役に立つことで自己有用感が育まれます。親は見守りながら手伝いが必要なときは手を貸しましょう。

 例えばこんなこと

 ・朝は自分で起きる。
 ・身の回りの整理整頓をする。
 ・学校に行く準備を自分でする。
 ・おうちの人と相談をして「お手伝い」を決めてする。


★思春期の子ども(8歳~18歳)
 第二反抗期が始まり、親に依存していた子どもが自立しようとする時期です。自分の事はできるだけ自分で決めさせ、やらせ、親は見守りながら時に必要なアドバイスをしましょう。子どもが自分でしようとしている時は頑張りを認めてあげましょう。

 例えばこんなこと

 ・毎日の時間の使い方を自分で考える。
 ・ゲームやスマートフォンなどの使い方を家族と相談して決める。
 ・家の事を何か一つ自分の仕事としてする。
 子どもが自分の事を自分でしようとする時、始めはうまくできなくて、今まで手を貸してきた周りの大人は少し歯がゆいかもしれません。しかしこの時、子どもの「自分でしよう」とする意欲を認め、大人は少しずつ手を貸す事を減らし見守るようにしましょう。子どもは失敗と成功を繰り返しながら自分で考え、工夫する事を学びます。子どもは自分でできた達成感を味わうと次も自分でやってみようと思うようになります。やがてそれは身辺的な自立へとつながっていきます。
 子どもの将来の実のために大人はできるだけ子どもの力を信頼し勇気づけそして適度な距離から見守りましょう。