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おひさま 第65号~ ごはんを食べる正しい姿勢ができていますか? / もうすぐお正月 ~



葛西先生のお話【ごはんを食べる正しい姿勢ができていますか?】

 最近、「子どもの発達障害と感覚統合のコツがわかる本」前田智行著を読みました。
プラス自身が発達障がいに関して勉強し始めたころに読んだ、似たテーマの「人間脳を育てる」灰谷孝著も読み返してみました。2冊とも発達障がいと脳や身体、感覚、反射、発達に関して書いてある本です。
 発達障がいのお子さんの診察室でよく見られる行動や様子(落ち着きなく歩き回る。診察のイスで、のけぞって座ったり、クルクルまわる行動を続ける。診察室のベッドに寝そべりずっと横になっている)を観察していると、なるほどと思う点が非常に多く書かれています。大学生のとき、医学の基礎として学ぶ必要があった生理学ともつながった感じを受けます。発達障がいは性格の問題ではなく、薬のみで治るものでもなく、脳と身体の問題も大きいことが改めて理解できます。

 外来で親御さんから、学校生活に直結する学習面に関してよく相談を受けます。
「人間脳を育てる」には、「イスに座ってごはんを食べることができる=はじめて学習する土台が整う」と書いてあります。ごはんを食べる姿勢は右手にお箸、左手に茶碗、そして背筋をまっすぐにのばしてご飯を食べる姿勢です。
 つまり①背骨・体幹が体の中心で維持される。②身体の左右が別々に使える。③しかもその動きが統合してスムーズに使えると言うことです。学校で学習をするときはイスにしっかりと腰かけ両足をつけ、まっすぐよい姿勢を保ちます。右手に鉛筆を持ち、左手でノートに手を添えて押さえる。それがうまく連動して初めてスムーズに学習できることになります。少なくとも、小学校に上がる時にはごはんを食べる姿勢が自然にそして無意識にかつスムーズにできていないと、学習するための土台の体ができていないため、学習することに困難さをかかえてしまうと言うことです。勉強が嫌い、宿題をやらないと言うこと以前に、お子さんの体が、しっかりと勉強に取り組める体に成長、発達しているのが確認する必要があります。出来ていないのであれば、まず体作りをしていかなければ効率よく学習に取り組めません。当院でも協調運動や視機能、感覚過敏・鈍麻のような身体的な問題が強いお子さんは山田病院小児リハビリの先生とも協力しながら取り組んでいます。発達障がいの脳や身体に関して、興味のある方にはお勧めの2冊です。

スタッフコラム【もうすぐお正月】

 今年も残りわずかとなりました。家庭では大掃除や新しい年の準備など忙しく過ごされていることと思います。お子さんは冬休みを楽しみにしているのではないでしょうか。
先日、ふと自分の子はお正月の意味をわかっているのかな?と考えたことがありました。
『お正月ってなに?』 と、お子さんに聞かれたときや、お正月をわかりやすく伝えるための参考にしてみてください。

【お正月ってなに?】
まずお正月とは、1年の幸福をもたらすためにやってくる『年神様(歳神様)』を家庭に迎えるために行う行事のことを言います。年神様は、豊作の守り神と呼ばれていて、家族が元気に暮らせるように見守ってくれる神様です。
【門松】
年神様が降りてこられたときの目印になるためのものです。
【しめ縄】
しめ縄は、『神様が降りる神聖な場所』であることを示す意味があります。そして、悪いものを入れないという二つの意味も込められています。
【おせち】
年神様へのお供えの料理で、五穀豊穣、家庭の安全や健康、子孫繁栄を願うための料理です。一品ごとに意味が込められています。
【鏡餅】
神様は降りてくるのに宿る依り代が必要で、鏡餅がお正月の神様の居場所になります。神事に用いられる丸い鏡が名前の由来ともされ、魂を表すとも言われています。そして、鏡餅の上に乗っているみかんは、橙色をしていることから、「代々栄えますように、豊かになりますように」という意味が込められています。
【お年玉】
お年玉は元々、お金ではなくお餅を配っていたそうです。年神様にお供えしていたお餅には魂が宿ると考え、そのかけらを年塊(としだま)として分け与えていたそうです。それが、時代とともに変わり、今の形になりました。

もうすぐ迎えるお正月を、こういった意味を感じながら家族で迎えてみてはどうですか。