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おひさま 第69号~スギ舌下免疫療法 / 抱っこで子は育つ ~



奥村先生のお話【スギ舌下免疫療法】

 今年もスギ花粉の季節がやってきました。はやいと3歳くらいから症状がでてきます。スギ花粉症はスギ花粉が原因でおこるアレルギー疾患で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状がでます。花粉症の治療は、主に抗アレルギー剤の内服、点鼻、点眼ですが、皮下免疫療法、舌下免疫療法といった減感作療法もあります。ここでは舌下免疫療法を紹介します。
 舌下免疫療法とはスギ花粉のエキスを少量ずつ内服することによって、からだをならし、症状を和らげ、体質を改善する治療法です。治療期間は3年ほどです。舌下錠といってラムネのように口の中で溶けるタイプのお薬で、1日1回舌下に投与します。初回はアレルギー反応が起きないかどうか、少な目の量をクリニック内で内服していただき、30分様子をみさせていただきます。それで問題なければ翌日からそれを自宅で内服していただき、1週間後再度受診。問題なければ通常量の処方となります。最初舌下がはれたり、痛くなる副作用がでるかたがみえますが、続けていくうちに改善していきます。今のところ大きな副作用の方は経験していません。治療を開始すると、1年目から徐々に症状の改善が感じられ、3年目になると症状がほぼなくなり、今まで飲んでいた抗アレルギー薬がいらなくなるくらい改善します。ただ、すべての方に同じように効果がでるとは限らないので、どのくらいの効果がでるかは、やってみないとわかりません。また効果は一生つづくわけではなく、7年以上たつと再び症状が出てくる可能性があります。その場合、再度舌下免疫療法を行うと、また改善します。近年花粉症が低年齢化しているので、長い人生、毎年症状に悩まされ、薬を飲み続けることを考えると、減感作療法で、症状が軽くなり、抗アレルギー剤を服用する期間が減ると、かなり楽になると思います。小児期に始められた方は1年目から随分症状がかるくなるか、ほとんど症状がなく、薬が必要なくなる方が多い印象です。この治療法はスギ花粉が飛んでいる時期には開始できません。気になる方はスギ花粉の飛散が落ち着いた頃、相談におこしください。

スタッフコラム【抱っこで子は育つ】

セラピー犬をご存じですか?
病気があるため生まれてから一度も病院から出たことのない子どもや、重い病気などで長い入院生活をされている人の心に寄り添うために訓練された犬たち。動物の中で犬だけが持つ、人との特別な関係です。
調査によれば犬とその飼い主が互いに見つめあったときに人の体内で、「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが分かりました。オキシトシンには心を癒やしたり、体の痛みを和げたりする働きもあり、犬と見つめあったときに人間の体内のオキシトシンは3倍以上に増加したそうです。これが、犬のセラピー効果の大きな理由です。もちろん、人同士では犬のセラピー効果以上にオキシトシンの恩恵を受けられます。以前は抱っこすると抱き癖がつくと言われていたときもありましたが、いえいえ、どんどん抱っこをお勧めします。その理由は?

幸せな気分はホルモンのおかげ

「オキシトシン」は肌に触れることで分泌されるホルモンで、安心感、安全感、信頼感を高めます。赤ちゃんを抱っこすると親と子、両方ともに恩恵があり、幸福感に包まれます。母乳を出しやすくしたり、幸せな気分になるのはそのせいです。

心と体へのよい影響

このホルモンにより、相手への愛情を深め、絆を強くする。またリラックスした状態で集中できるため、記憶力もよくなります。また、自律神経が整い、免疫力がアップ、質の良い睡眠がとれるため、ストレスに強くなり健康にも作用します。

どんどん抱っこしましょう

1歳半くらいまではたくさん抱っこしましょう。オキシトシン効果で情緒が安定し、
抱っこ安心という土台ができるそこからいろんなことにチャレンジ(自立)する力が生まれます。この工程が抜けると心の土台がぐらぐらした状態で育つことになってしまいます。
今は核家族化や社会の仕組みで変わってきた家庭環境で、いつも抱っこするのは難しいと思う親さんも多いことでしょう。5分ハグでも良いのでギュッと抱きしめてあげる時間を持ってみて、オキシトシンの効果を体験してください。