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おひさま 第72号~ 原発性腋窩多汗症とは? / マスク皮膚炎とその対策について ~



奥村先生のお話【原発性腋窩多汗症とは?】

原発性腋窩多汗症という病気をご存じでしょうか。いわゆる脇汗のことです。
ちゃんとした説明文にすると、明らかな原因がないにもかかわらず、日常生活で困るほどに過剰に脇汗がでる病気です。暑い日やそれほど暑くなくても緊張したりして、脇汗で服の脇の部分がびっしょりぬれてしまって、恥ずかしいというのがこれにあたります。20人に1人がかかる決して珍しくない病気ですが、脇が汗でびっしょりぬれて、恥ずかしく、消極的になったり、脇汗が目立つため好きな服が着れないなどの問題が起きることもあります。
そして、恥ずかしくて一人で悩んでいるかたもみえるかと思います。
・最初に過剰な脇汗がでたのは25歳以下である。
・左右同じように脇汗がでる。
・睡眠中は脇汗がとまっている。 
・1週間に1回以上、過剰な脇汗がでる。
・家族にも同じ病気の人がいる。
・脇汗によって日常生活で困ることがある。

過剰な脇汗が、特定の原因がないまま6ヶ月以上認められ、上記のうち2つ以上当てはまれば原発性腋窩多汗症に該当します。
 最近この脇汗の治療薬が登場しました。使い捨てのワイプで1日1回両脇をふきとるだけです。これを毎日続けると徐々に効果が感じられ、脇汗が減少し、人には相談しづらい困りごとが減っていきます。
9歳以上の方なら使用することができます。人知れず、脇汗に悩んでいる方はご相談ください。

スタッフコラム【マスク皮膚炎とその対策について】

コロナの感染予防のため、長期に渡りマスクを着用するようになり、マスクによる皮膚炎や痒みが生じたり、アトピー性皮膚炎やざ瘡(にきび)の症状の悪化する場合が増加しています。そもそも、マスクをするとなぜ肌トラブルが起こりやすくなるのでしょうか。主な原因として次の3つがあげられます。
≪摩擦による刺激≫
マスクが肌に直接触れる部位は、摩擦による刺激から肌荒れやかぶれを起こしやすくなります。皮膚の表面は角質というものに覆われていて、外部の刺激から守ってくれています。ところが毎日マスクの線維とこすれあうことで、その角質が少しずつ削られてしまいます。外部刺激から肌を守る「バリア機能」が低下してますます刺激を受けてしまうことになります。
≪蒸れの影響≫
マスクの内側は吐く息で蒸れて高温多湿になり、ニキビを引き起こすアクネ菌などの細菌や雑菌が繁殖しやすくなっています。
≪肌の乾燥≫
マスクをつけているあいだは吐く息がこもっているので、肌が潤っているように感じますが、マスクを外すと一気に内側の水分が蒸発し、肌の水分まで同時に奪って逆に乾燥を引き起こします。肌が乾燥するとバリア機能が正常に働かなくなり、皮膚トラブルを招いてしまいます。

マスク皮膚炎の対策

1. 自分に合ったマスクを選ぶ
布やガーゼタイプのマスク(綿のもの)だと肌への刺激を抑えられますが、感染拡大を防ぐうえでは不織布マスクのほうが効果を期待できるかもしれません。そのときの状況や肌の状態によって使い分けるとよいでしょう。
2. 汗をこまめに吸い取る
マスクの着用中は、熱がこもって汗をかきやすくなるので、吸収性のよいタオルやガーゼで擦らずこまめに汗を吸い取りましょう。マスクが汗で湿った場合は、新しいものに交換することをおすすめします。
3. スキンケアで十分に保湿する
肌のバリア機能をきちんと働かせるためにも、十分な保湿が必要です。帰宅後はすぐに手を洗い、清潔な手で洗顔料をしっかり泡立てて優しく顔を洗いましょう。洗顔後はすぐに化粧水や乳液、クリームなどで保湿してください。