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おひさま 第73号~ 発達障がいは治るのか… / 赤ちゃんの便秘について ~



葛西先生のお話【発達障がいは治るのか…】

発達とこころの外来をしていると、お母さんから「発達障がいは治るのですか?」と時々質問を受けます。医学的には生まれ持った特性と考えられており、答えとしては治らないと言うのが正解だと考えられています。
ただ、症状の改善や社会適応をしやすくすることは可能だと考えながら外来の診療をおこなっています。少なくとも家庭や学校での環境調整や関わる周りの人たちの理解は必須です。症状改善のヒントの一つは、発達障がいの特徴を持つお子さんを診察室で観察すると定型発達のお子さん(一般的な発達のお子さん)とは明らかに身体の様子が異なっています。診察室で一般外来や定期健診でお子さんの診察をしていると、5歳くらいだと定型発達のお子さんはイスに姿勢良く座って診察をさせてくれることが多く、一方発達特性を持っているお子さんは小学校高学年になっても、診察室のイスでクルクルしたり、足をブラブラさせて姿勢良くじっとすることが難しい様子だったり、診察室に入ってきてイスに座らず自らベッドにすぐに横になるお子さんも見えます。身体的な様子が明らかに異なっており、リハビリの先生と話をすると明らかに姿勢保持や前庭(平衡)感覚、固有感覚(体の各部位に適度な力を入れて動かす感覚)に問題があると言われます。自身、リハビリや脳科学的なアプローチから発達障がいのお子さんには体質を改善していくことも大切だと考えています。
このような問題は子どもの頃から運動をしっかりすることによって改善してくると考えられています。運動をすることによって体質を改善していくことで日常生活も適応しやすくなる可能性も高くなってきます。確かに、クリニックに定期的に受診しているお子さんで小さい時から意識的に運動をしっかり取り組んでいたお子さんは思春期前後から落ち着いていることが多いと感じています。身体の問題が改善されれば、姿勢を長時間維持できて疲れにくい身体、じっと授業に落ち着いて物事に取り組める身体ができていき、症状はゼロにはならないと思いますが、改善していく可能性は十分にあると考えます。医学的にはお薬も一つの治療の選択肢です。確かに一時的に症状を抑える効果はあります。さらに体質を改善していくことによって、薬を減らしたり、やめることができる可能性も出てくると考えています。

スタッフコラム【赤ちゃんの便秘について】

お子様が生まれて毎日授乳、おむつ替え等の育児をしていく中でお子様の体調や表情の変化に一喜一憂することがあるかと思います。『昨日までしっかり飲んでくれたミルクを急に拒むようになった。』『急に眠らなくなった。』『便の出が悪くなった。』等、言葉が通じない赤ちゃんのこういった変化に親御さんも困惑することがあるかと思います。
当院にもこういった内容で心配されて受診される方、相談のお電話をされる方が多くいらっしゃいます。
特に便の出が急に悪くなった、いつもと違う色の便が出たため、受診した方がいいですかというお話をよく伺います。
赤ちゃんの便秘について、いろいろな原因があるかと思われますが、

きっかけの1つに【離乳食をきっかけに便の状態が変わる】ことがあります。
離乳食を始める頃はまだ腸の働きが未熟であること+離乳食を始めたことで母乳やミルクの割合が減り、水分不足になることで便秘なることがあります。また、いきむ力がまだ弱いために排便が中々できないことも考えられます。
いずれにしても、お子様も食事をしている以上、排便を促す必要があります。排便回数に決まりはありませんが、便秘傾向になると赤ちゃんの身体にとっても決して良くはありません。

赤ちゃんの便秘時の症状として
・機嫌が悪くなる
・うんちをするときに苦しそうな表情をする
・下腹部が張っている
こういった状態になっていたら、便秘の可能性が高いため、便秘解消してあげましょう。
便秘解消法として、
まずはおなかのマッサージ。マッサージだけでなく、両足を自転車をこぐように動かしたり、脇腹をゆらゆらさせたりして腸の動きに刺激をあげましょう。
また、母乳やミルクの量が減った分を白湯や麦茶などで補い、水分不足を解消しましょう。
大人と同様に食物線維が不足しても便秘になることがあるので、離乳食の内容も食物線維を意識した食べ物にしてあげても良いかもしれません。
マッサージや食事を調整してもなかなか便がうまく出ないこともあると思います。そんな時には、綿棒の先で肛門を刺激(綿棒浣腸)やイチジク浣腸を利用して便を出してあげましょう。これらを使うときには、そのままお尻に入れるのではなく、円滑油
(ベビーオイル等)を使って赤ちゃんが痛がらない工夫をしましょう。