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おひさま 第74号~ COVID-19感染症とワクチン接種 /こどもの便秘 ~



奥村先生のお話【COVID-19感染症とワクチン接種】

現在落ち着きつつある新型コロナウイルス感染症の第7波では小児の感染が多くみられました。これにより色々なことがわかってきました。
1. 小児の感染者の95%以上は軽症です。まれにクループ症候群、肺炎、痙攣、嘔吐、脱水などの中等症や、脳炎、心筋炎が報告されています。
2. オミクロン株流行期における患者は発熱の頻度が高く、熱性痙攣、咽頭等、嘔吐の報告数が多いです。
3. 2歳未満と基礎疾患のある小児患者において重症化リスクが増大することが報告されています。
4. これまでは周囲の大人からの感染が多くを占めていましたが、オミクロン株流行以降、小児同士で感染する機会が増加しています。
5. 長期化する流行による行動制限が、精神面含め小児に与える影響が大きくなってきています。
一方5〜11歳へのワクチン接種に関しては、海外の報告ではオミクロン株にかわってから以降の感染予防効果は31%、発症予防効果は51%、入院予防効果は68%と報告されています。安全性については国内の報告で、多くは発熱、局所反応で1回目接種後0.0047%、2回目は0.0033%と12歳以上より低い頻度でした。追加接種に関してはオミクロン株では、発症予防効果、重症化予防効果の減衰が早く、追加接種により効果が回復することが報告されています。副反応も初回接種と大きな差はなかったと報告されています。 
     (日本小児科学会より)
以上をふまえ、個人的な考えを述べたいと思います。
・小児のコロナ感染症のほとんどは軽症ですが、最近は高熱が3日間ほどでて、嘔吐や熱性痙攣のお子様が増えている印象。
・子供の感染が増えることにより学級閉鎖が増えたり、行事が中止になり、かけがえのない時期の貴重な体験ができなくなっている。これは将来の子供たちの精神的な発達に大きな影響を与えている。
・ワクチン接種により、感染しても軽症ですむ、つまり重症化の予防になる、接種率があがり感染者がへれば、学校生活への影響が減る、副反応がそれほどない。

現在の状況をみると、新型コロナ感染症に対する対策、政策が変わらない限り、小児に対する新型コロナワクチン接種は初回、追加含め、考えてみてもいいのではと思います。
私たち大人は子供たちがずっと我慢していることを忘れてはいけないと思います。

スタッフコラム【こどもの便秘】

先月は赤ちゃんの便秘についてでしたが、今月はこどもの便秘についてです。
 乳児期から幼児期頃までは、親が排泄の処理をしているため毎日おこさんが「どんなうんちがでているかな?」と確認しやすいです。ですが、自分でできる年齢になってくると「いつでたかな?」「どんなうんちだったかな?」と聞いても答えてくれなかったり、分からなかったり…と曖昧になりがちです。
学童時期のお子さんの便秘の方の多くは、「お腹が痛い」「パンツが汚れているんです」と受診されます。親の気が付かないうちに便秘になっている可能性があります。

▼そもそもどうして便秘になるの?

食べた物は、腸で大半の水分が吸収され、残りかすが便として排出されます。しかし、便が腸に長くとどまると、水分が多く吸収され、便が硬くなってしまいます。排便の回数が少なかったり、便が出にくい状態になっていれば便秘と考えます。
目安として、週に3回未満だと便秘が疑われますが、毎日排便があっても、排便するときに痛みがあったり、スッキリとした排便でない場合は、便秘の可能性があります。
※パンツが汚れている場合は、便秘がひどい場合入り口付近にある便は硬くて出せず、便汁のみが出てしまっている場合や、肛門に硬い便が挟まって出せない状況の時もあります。

▼めざすのは“バナナ状のウンチ”

便の形や硬さの理想は、表面がなめらかでやわらかい、いわゆる『バナナ状』の便です。
腸に便がたまりすぎると、硬くて小さいコロコロの便になったり、ゆるい便が少しずつ1日に何回も出たりする場合があります。トイレに出たときに、浮くのもポイントの1つです。沈んでしまううんちは硬いうんちです。

排便のときに便が硬くて痛い思いをすると、排便が怖くなり、がまんしてしまいます。
すると、便は腸にたまってさらに硬くなり、排便時の痛みも増してしまうので、ますます便をがまんするようになり、悪循環におちいります。また、いつも便が腸にたまっている状態が続くと、腸が鈍感になり、便を出したいと感じにくくなり、さらに腸に便がたまってしまう2つ目の悪循環におちいります。悪循環におちいる前に!お子さんのうんち確認してみてください。
「便秘かな?」と思ったら早めに相談してみてくださいね。