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おひさま 第80号~ 親がほとんど気にしていない子どもの体のこと / 新生活の準備をしましょう ~



葛西先生のお話【親がほとんど気にしていない子どもの体のこと】

 発達とこころの外来をしながら一般外来や健診も診療しています。その中で感じることが、一般外来や健診の際、年齢が高くなっても、診察室のイスに姿勢良く座っていられないお子さんが昔より(自身小児科医になって30年近くになりますが)増えているなあと感じることです。診察室のイスに座ってクルクルする、のけぞるように座る、座っている姿勢が維持できず、あぐらをかいて座り直す、常にくねくね体を動かす。一般的に5歳くらいからそのような様子は徐々に少なくなってくるはずなのですが、10歳近くになってもそのような行動をしているお子さんが多くみられます。
 その時思うのが「この子は学校でずっと授業を集中して受けているのだろうか・・・」と。
このような行動は学習面に大きく支障をきたすからです。そんなことがと思われるかもしれませんが、姿勢保持が苦手だと長時間姿勢を保持して学習に効率よく取り組めません、姿勢を注意されれば姿勢が気になり先生の話に集中できませんし、すぐ疲れます。体幹支持、姿勢保持が苦手なお子さんは協調運動が苦手である事が多いです。協調運動とは、左右の別々の異なった動きや複数の動作をいっぺんにしなければならない運動です。学習は協調運動が上手くできることを必要とするものです。左手で適度な力でノートをおさえ、右手で適度な力で文字を書く。左右別々の動きをスムーズにできなければすぐ疲れて、集中力も続かず効率よく勉強ができません。勉強しているお子さんの姿勢はどうでしょうか左手がイスの下にだらんとしていたり、体が机にもたれるように横になったり、前のめりになったりしていないでしょうか?トメハネが苦手だったり、筆圧が強すぎたり、弱すぎたりしないでしょうか?消しゴムで消す時ノートがくしゃくしゃにならないでしょうか?そのようなお子さんはまだ効率よく勉強をする体ができていないお子さんと考えます。
 診察の折に、親御さんに、「お子さん体幹が弱そうですね?」と言っても「はあ、そうですか?」とあまり問題意識を持ってない方がほとんどです。「できるだけ日常生活で運動してね」とアドバイスはしますが、どこまで大切さが伝わっているかは???です。ただ最近のお子さんの運動量は自分たちがこどもの頃に比べると3分の2ほどに減っていると言われます。学校での学習が効率よくできるようになるためにも日頃から体を動かす機会を意識的にもっと増やして欲しいと思っています。

スタッフコラム【新生活の準備をしましょう】

4月から新学期が始まり、生活が一新する子供たちも多いかと思います。春休みのこの時期、子供たちの生活リズムはついつい乱れがちになります。またここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響で、休校やオンライン授業など生活の変化によって普段でもリズムを整えることが難しかったと思います。年齢によっても異なりますが、特に小学生以下の子どもたちの生活リズムは、大人の生活リズムの影響を大きく受けてしまうものです。新生活に向けて子どもの生活リズムを整えるためには大人も子どもと一緒になって、生活リズムを整えることが大切です。今回、子どもの生活リズムを整えるポイントをお話しますのでぜひ実践してみてください。

1. 朝起きたら日の光を浴びましょう。
体内時計のズレをリセットしてくれ、リズムが整いやすくなります。

2.朝食を食べましょう。
ごはんを食べることで、脳にエネルギーが与えられ、思考回路が動きだします。また、胃腸にある体内小時計に刺激が加わり、脳の体内時計と同調することでリズムが整います。

3.夕食の時間を早くしましょう。
夕食の時間をできるだけ早めにすると、時間に余裕ができます。寝かせる時間の2時間ぐらい前の夕食を目指しましょう。

4.お風呂の時間は夕飯の前にしましょう。
お風呂に入ると一時的に体温が上がります。その後、熱放散することで体温が下がり、睡眠のリズムがつくりやすくなります。

5. ふとんに入る前には、大人と一緒にテレビやスマホ・タブレットは消しましょう。
「子どもだけテレビやスマホ・タブレットがおしまい」というのでは、生活リズムはなかなか変わりません。寝る時間になったら、大人も子どもテレビやスマホ・タブレットに触れる時間を終了しましょう。

6. 寝るときは電気を消しましょう。
暗くなれば、自然と「眠る」気分にもなります。「メラトニン」という睡眠を安定させる働きのあるホルモンも多く出てきます。
「夜9時になったから子どもは寝なさい。」と言って子どもだけ寝室に入れても、子どもの意識は睡眠モードになりません。大人も一緒なって、"一斉消灯する"などして、家族みんなでリズムをつくることが非常に大切です。