グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



HOME >  院内報『おひさま』 >  おひさま 第84号~ コロナ後の子どもの変化・・・ / 夏の外遊びで気をつけたい事 ~

おひさま 第84号~ コロナ後の子どもの変化・・・ / 夏の外遊びで気をつけたい事 ~



葛西先生のお話【コロナ後の子どもの変化・・・】

 5月上旬のコロナ5類移行から小児科の診療は大変忙しくなりました。コロナ禍ではコロナ流行期はコロナのお子さんで比較的忙しく、コロナの流行が収まると閑古鳥が鳴いている日々がずっと続いていました。今までコロナウイルスの感染対策ためにマスク、手洗いなどの異常なほどの清潔生活から一気に雑菌にさらされる生活になり、いろんな感染症が一気に増えた感じです。例年であれば、インフルエンザやRS、ロタやノロの胃腸風邪、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱などの夏風邪が周期的に流行していましたが。コロナ禍の間は全く流行しませんでした。それが5類移行後一気に流行し現在もまだつづいています。20年以上小児科医をしていますが、GW以降もインフルエンザAが流行していた経験はなく、RSウイルスは乳児で悪化するお子さんは多いですが、1歳を超えても症状が強く出てえらそうなお子さんもおられました。ヒブや肺炎球菌ワクチンのおかげで中耳炎のお子さんもずっと少なかったのですが、接種後の免疫が高い頃に菌にさらされず、抗体が増強維持されなかったためか、例年よりも非常に中耳炎も多い状況でした。また冬場であれば抵抗力が低下して風邪が長引いて、なかなか治らないお子さんが多いものですが、今年は春暖かくなってからもなかなかよくならないお子さんが非常に多くおられます。
 短期的にこのような変化が子どもたちにみられ、こころと発達の外来をおこなっている小児科医としては、これからみられるであろう長期的なこころと発達の問題を危惧しています。大人も子どももマスク生活が長く続き、コロナの感染は防げたかもしれません、しかし口元が隠れることによって、表情を読み取る力や言語を獲得する能力が低下しているのではないかと危惧します。子どもは、周りの人たちの表情や口の動きをまねしながら言語・コミュニケーション能力を高めていきます。その経験をスキップしてしまった子どもたちは今後どのように変化をしていくのでしょうか・・・。こころや発達の面から考えれば、もはや子どものマスクは感染症にかからないようにするメリットより、発達、心理、情緒面のデメリットのほうが高いと考えています。子どもたちはまだまだ先が長いです、短期的な子どもの変化だけではなく、長期的な視点に立って子どもの変化をみていかなければなりません。コロナにはならなかったけど、コミュニケーションが苦手、人との関わり合いが苦手となってしまって、社会生活で様々な不都合が起こってはいけないと思います。

スタッフコラム【夏の外遊びで気をつけたい事】

前号のおひさまでは熱中症についてお話させていただきましたが、今回は夏の外遊びで他にも気をつけたいことをいくつか紹介させていただきます。
あせもなどの皮膚トラブル
夏は身体の熱を放出するために汗をたくさんかく季節。汗が原因であせも等の肌かぶれを起こしやすくなります。汗をかいたら拭き取るようにしましょう。また、虫刺されも多い時期です。掻きむしると、とびひになりやすいので患部を覆って清潔に保ちましょう。

遊具による火傷

一見、いつもと変わりないようにみえる公園の遊具も、夏場は直射日光で温められて高温になることがあります。鉄製の遊具だけでなく、地面やマンホールも同様の可能性があるので、なるべく素足では道を歩かせないようにするなど注意しましょう。

気温差による低体温症
大型のショッピングセンターやスーパーの冷蔵ケース前など、夏でも空調が効いて寒いと感じることがありますが、屋外でたくさん遊んで汗をかいた後に冷房の効いた室内に移動すると濡れた体が一気に冷えて冷たくなり、低体温になりやすいです。
汗をしっかり拭く、冷房のよく効いた場所へ行くときは羽織を1枚用意するなど風を直接体に当てないようにしましょう。

海やプールで起こる水の事故
子どもは3センチの水深でも溺れてしまう危険性があり、夏場の水遊びには特に注意が必要です。更に、子どもは静かに溺れてしまうことがあります。子ども自身が、溺れていることに気付かず、何が起きているか分からないため助けを呼ぶことができないまま沈んでいってしまいます。家庭での水遊びでは必ず大人が付き添うこと、大きなプールは迷子にもなりやすい為離れないようにしましょう。

家族で一度危険なことを共有し、家族で話し合ったり大人がしっかりと対策をしておくと安心ですね。
外遊びを上手く取り入れて、楽しい夏の思い出をたくさん作りましょう!